2025年3月1日土曜日

家を出る予行演習をした私たち

その時が来たら迷わず動けるように

日ごろ夫から酷いモラハラにあっていた。

だから、通常よりも思考能力が低下しているという自覚があった。

もし家を出るチャンスが訪れても自分の頭で考えて動けるだろうか?

そんな不安があった。

それで予行演習をすることにした(笑)

実は家出は初めてではない。

ただ、いつもとは違って計画を立てるためのお試しみたいなものだった。

その日は夫が朝から病院で、実行するにはもってこいの日。

「有給を消化しなくちゃならないんだ~」

と休みを取ることを伝えた。

そうしたら病院に着いてきて欲しそうにしていたんだけど。

気づかないフリをしてスルー。

そんな目的のためにわざわざ休んだわけではない。

夫は不満そうにブツブツ言いながら出かけて行った。

その後の予定もだいたい分かっていた。

病院の後は二駅先まで足を伸ばして買い物して、そのままお昼だろうな。

お昼を食べたら駅をブラブラして、義両親と落ち合うかもしれない。

いつも義両親と出かけることが多かったので、この日もそうだろうと思っていた。

そうしたら案の定、出かける直前に

「今日は親父と会うんだわ」

と言っていた。

やっぱりね。

ここまでは読み通り。

夫を見送るまでは内心ドキドキ。

そして見送った後、急いで出かける用意をした。

保育園をお休みした子どもはお出かけだと思い込んでいて、嬉しそうに靴を履いた。


家を出た瞬間から感じた開放感

一歩外に踏み出した途端、体中を縛り付けていた鎖から解放されたような気持ちになった。

あー、自由ってこんな感じだっけ。

いやいや、これはまだ予行演習なんだから。

久々に感じた解放感に浸りつつも、こんなんで喜んでてはいけないと自分を戒めた。

まずは今日どんな風にすべきかを考えながら行動してみよう。

それで当日パニックになっても落ち着いて動けるはず。

家を出て最初に向かったのは駅だった。

どこに行くにしても電車を使わなければ遠くには行けない。

子どもを抱っこしたまま、PASMOを通してホームに向かった。

その間、

「ねえ、どこ行くの?」

と何度も聞かれたんだけど、まだ行き先は決まっていなかったので

「良いところだよ」

とだけ答えた。

ホームで電車を待つ間、私は考えていた。

家を出る日、夫がそのことに気づいたらどんな行動に出るだろうか、と。

追いかけてくるだろうか。

でも、どこに行ったかも分からないのに、闇雲に動くようなことはしないかもしれない。

安全策として私ができるのは、予想もできない場所に移動することだった。

実家はすぐに足がつく。

同じ県内にある姉の家も同じだ。

親兄弟や親せき関連は簡単に予想できてしまうから、全く関係のない場所が良いだろうと考えた。

それで思いついたのが、なぜか観光地の旅館に泊まる方法だった。

ちょっと驚くよね。

自分でも驚いた。

電車に乗れば以外と早く着く観光地があり、そこなら泊まれるのではないかと思った。

夫から逃げているのに観光???

いやいや、決して遊びに行きたいわけではない。

そんな所にいるなんて想像もつかないだろうから安心して過ごせると思って選んだ。

他にも理由があり、やはり当日は解放感たっぷりでも落ち込むと思うので少しでも気持ちが浮上する場所に居たかった。

ただそれだけなんだけど、ビジネスホテルと比べたら高いんだよね。

金銭的に余裕は無かったので、各駅の電車で向かうことにした。

万が一、私たちが戻るまでに見つかってしまったらそれまでだ。

計画を立てていることを勘づかれてしまい、更に自由に動けなくなる。

そんなこと、絶対にあってはならない。

想像するだけで恐ろしくて体が震えた。

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