2025年3月17日月曜日

怒りに任せて子どもの傘を破壊した夫

玄関に放置されていたのは壊れた子どもの傘だった

仕事から帰り、玄関のドアを開けると子どもの傘が放置されていた。

「こんなところに置きっ放しでしょうがないな~」

と持ち上げたのだが、何か違和感があった。

その違和感の正体はすぐに分かった。

一見すると何の問題もないように見えるのだが、骨の部分が曲がっていた。

もう差すことができない状態だった。

驚いて傘を握りしめていたら、夫がこちらをチラチラ見ていることに気づいた。

それでピンときた。

いつものように怒った夫が子どもの傘を破壊したのだ。

その日は雨が降っていて、朝学校に向かう時に傘を差していた。

家に着いてから何があったのかは分からない。

ただ、酷く怒られたであろう子どもはションボリしていた。

「何があったの・・・」

そう言うのがやっとだった。

聞こえているはずなのに、夫は私の問いかけを無視した。

都合の悪い時にはいつも無視をする。

そういうところが本当に卑怯だなと思っていた。

何かというと子どもに対して怒り狂っているけど、どうせ大したことではない。

夫が気に入らないというだけで暴力をふるった。

ただ、それだけ。

どんなに上手く立ち回ろうとしても、結局は夫の機嫌次第なんだから不可能なのに。

ついこの間まで保育園児だった子どもにも、夫は完璧な対応を求めた。

全てが理想通りにいくわけではないのに、何か一つでも思い通りにならなければキレた。

その日も酷く怒ったようだった。

可哀そうに。

私が帰ってくるまで狭い我が家に夫と二人。

どんな気持ちで過ごしていたのだろうかと想像したら涙が出てきた。


子どもと選んだ思い出の傘

その傘は、少し前に子どもと出かけた時に二人で選んだものだった。

外出を許されたのが久々だったので、本当に楽しくて幸せな時間を過ごした。

そんな思い出も一緒に壊されてしまったような気がして悲しかった。

ただ、悲しんでばかりもいられない。

怒りの矛先を子どもから変えなければ。

あるいは怒りが収まるような方法を考えなければ。

放っておいても自分で機嫌を直してくれる人ではない。

常に私たちが怒らせるから悪いというスタンスなので、機嫌を取るのも当然私たちの仕事だった。

ここは機嫌を直してもらうのが先だと考え、何とか雰囲気を変えようと奮闘した。

最初は返事もしなかった夫だが、次第に反応するようになった。

その間、ご飯を作りながら翌日の子どもの準備も手伝い、お風呂洗いもした。

努力の甲斐あって途中までは順調だったんだけど・・・。

その日、ショックを受けていたであろう子どもが私の後をついて回っていた。

それが気に入らなかったらしく、

「ママの邪魔してんじゃねーよ!」

といきなり怒鳴った。

その瞬間、子どもの体がビクンとなって私の服の端をギュッと握りしめた。

なんでいつも怒鳴るのだろうか。

怒鳴らなくたって聞こえる距離なのに。

この言葉にはさすがに沸々と怒りが沸いた。

それを表に出さないように必死だった。

きっとこの人は私たちを脅すためにわざわざ大声を張り上げているんだ。

怯えさせて従わせることで満足しているんだよね。

だけど、これはやっぱり許せない・・・。

本当は夫の機嫌を取り続けなければならなかったのに、とうとう黙って居られなくて

「もう止めてよ!何でこんな酷いことばっかりするの?」

と言ってしまった。

そうしたら夫が怒りで顔を真っ赤にしながら立ち上がり、こちらに向かってきた。

私は思わず身構えた。

一瞬最悪の事態を想像したのだが、目の前まで来た夫は手でシッシッと払うような仕草をした。

そして、

「もうお前ら出て行けよ」

と言った。

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