お義母さんの帰省に同行?!
お義母さんの提案はこうだった。
「(義母の実家の地名)に帰る時、
(子ども)ちゃんも一緒に
行けないかしら」
突然の申し出に驚いてしまい、
「えっ?」
としか返せなかった。
私たちは、
しばらく無言になった。
子どもは、
一度もそこに行ったことがない。
というよりも、
義両親と一緒に
泊まりがけのお出かけなんて
したことがない。
それなのに、急に
「帰省に同行させたい」
だなんて。
「自然も多いし、
気に入ると思うのよ」
と言われたって、
良い返事はできない。
「その日程は、
私も用事があるんですよ」
やんわりと断ったら、
「あなたは行けなくても良いの。
(子ども)ちゃんの面倒は
責任もって見るから」
と言われてしまった。
なんと、私抜きで
出かけるつもりのようだった。
もう中学生だから、
義両親と出かけること自体は
決しておかしなことではない。
ただ……。
色々と問題のある人たちだから、
心配だ。
それに、
子どもが行くとなれば
夫もついて行くだろう。
お義父さんだって、
不安要素が多い。
あの夫を作り出したのも頷けるくらい、
モラハラ気質が強く、
相手に無理強いすることがあった。
「飛行機に乗りたいでしょ」と言われても
「飛行機にも
乗せてあげたいし」
と、お義母さんは言った。
そこに行くには、
大げさではなく、
本当に一日がかりになる。
飛行機に乗り、
降りたら電車で移動し、
朝に出ても着くのは夜だ。
一度も乗ったことがないから、
子どもも飛行機に乗りたいに決まっている。
本人に確認すれば、
「行きたい」と言う。
そう思い込んでいた。
だけど、どう考えても
「行きたい」なんて
言うはずがなかった。
だって、
子どもはお義父さんのことも
苦手なのだから。
夫ほどではなくても
圧が強く、
正直、一緒にいるだけで疲れる。
そこに夫が加わったら、
逃げ場はなくなる。
何より、
まだ癒えぬトラウマがあった。
時々、悪夢を見てはうなされていて、
そんな姿を見るたびに心が痛んだ。
面と向かって言われれば、
きっと子どもも断れない。
だから、
何としてでも私が
断らなければ……。
「実は、お友だちと出かける予定が
もう入っちゃってるんです」
咄嗟に出た嘘。
実際には何もなかったし、
仲の良いお友だちは
それぞれ帰省すると聞いていた。
それでも、
理由を作らなければ
勝手に決められてしまいそうで、
私は焦っていた。






