もう、家族ではない
夫とは、もうずいぶん前から
家族ではない。
家族の情があったのは、
家を出た直後くらいまでかな。
それも、
色んなことがあって、
徐々に失われていった。
何かあるたびに、
『父親として』
振る舞おうとするけれど。
そもそも、
大前提として、
夫は子どもを愛していないのだ。
ただ、
自分の都合で
執着しているだけ。
そんな人に、
せっかくの晴れの日を
台無しにされてしまった。
私は、
無性に腹が立っていた。
でも、
子どもには悟られないように、
気を使った。
いつも通り、
笑顔で。
大切な日だから、
良い思い出にしてあげたくて。
実は、
式の最中、
何故か彼らは姿を消した。
ほっとしたけれど、
一体どこに行ったの?
まあ、
義両親もあの服装では、
式の最中に浮いてしまうけれど。
それにしたって、
参加しないのに、
一体何のために
朝一から来たのだろうか。
モヤモヤした気持ちを抱えつつも、
式は滞りなく終わった。
「〇〇家の孫」
義両親は言う。
「〇〇家の孫だから~」
子どもを、
所有物として見ている
証拠だと思う。
〇〇と似ている。
〇〇と同じだ。
夫やお義兄さん、
親戚まで登場し、
彼らとの共通点を探しては、
喜んだ。
「ママには似てないね」
とも言った。
子どもは
よほど嫌だったのか、
言われるたびに
こっそり聞いてきた。
「そんなに(夫の家)の人たちに似てる?」
正直なところ、
全然似ていない。
でも、
そう思いたいのだろう。
それを伝えると、
「良かった~」
と安堵した。
いつもそんな感じだったから、
入学式の日も
かなり警戒していた。
何を言い出すか、
分からない。
そして、案の定、
また一方的な思い込みを、
まるで決定事項のように言った。
「中学はこっちになっちゃったけど、
高校で待ってるよ」
「たった三年だもの。
すぐ一緒に暮らせるね」
彼らは、
宣言しにきたのだ。
高校進学の時には、
義実家で暮らすように、と。
逃げても逃げても、
追って来る。
彼らの思考が、
理解できない。
恐ろしさのあまり、
身震いがした。






