2025年2月28日金曜日

「家族と離れたくなかった」と涙する夫

夫よ、それは本心なのか

私にとって離婚は最善の選択だった。

モラハラ夫と離れることができたし、子どもを虐待から守ることもできた。

また同じことが起きても間違いなくこういう選択をすると思う。

でも、夫は違うようだ。

事あるごとに後悔を口にした。

時々泣きながら、

「本当は家族と離れたくなかった!」

と訴えてきて、こちらの罪悪感をあおってくることもある。

これには本当に困ってしまう。

離婚は覚悟して決めたこと。

そりゃー全く迷いが無かったわけじゃない。

でも、これ以上一緒に居たら子どもや私の心は取り返しがつかないくらい傷つけられてしまうと思った。

自分たちを守るためには、これしか無かった。

モラハラDV加害者の認知の歪みを取る方法もあるらしいけど。

果たしてそんなので直るのかな、というくらいに酷い状態だった。

本人に【こういうプログラムがあるらしいよ】と伝えたら乗り気になっただろうが。

あえて伝えなかった。

やる気を出されたところで私たちの方がもう受け入れられなくなってしまったのだ。

そんな状態で希望だけをチラつかせても、きっとお互いのためにならない。

だったらいっそのことキッパリと関係を絶った方が良いのではないかと思った。

離婚の話し合いをすることになった時も私は【夫と離れたい】という姿勢を貫いた。

これさえ乗り切れば安心して暮らせるという気持ちが大きかった。

それに比べて夫はずっとメソメソしていた。

あんなに強かった人が嘘みたい。

これがずっと私たちを虐めてきた人なの?

その姿を見て驚き、同情してしまったことも事実だ。

多分、これが私の一番の弱点。

酷いことをされても相手が弱っていると可哀そうに思ってしまうんだから。

甘いと言われても仕方がない。


居場所を残しておいて

電話で夫が私に言った。

自分の居場所を残しておいて欲しいと。

この言葉がどんな意味を持つのか。

それは痛いほど分かっている。

夫のイライラや不満を全て受け止めるサンドバッグのような存在。

それがかつての私たちだ。

そういう存在が夫にとっては必要不可欠だった。

でも私たちからしてみれば、あの息の詰まるような生活に戻るということだ。

辛くても声もあげられないような、あの生活に。

これには何度も、

「もう別々の道を歩いてるんだから無理だよ」

と伝えた。

そうしたら、ある日突然

「騙された!俺のことを見捨てるんだな!」

と怒り始めた。

確かに見捨てたのかもしれないけど、それはあなたがこれまで散々私たちを傷めつけてきたからだよ。

そう言いたかったが、ただ『ごめんなさい』と謝った。

電話口でさめざめと泣く夫の声は私に罪悪感を与えた。

これが夫の常とう手段だということも分かっている。

泣き落としをしようとしても無駄だよ、とも思う。

その一方で、【家族にまで捨てられてしまって可哀そうに】という気持ちが消えない。

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