夕食時に異変は起きた
平日だったかな。それとも休日のことだったのかな。
とにかくあまりにも痛みが強くて、その印象しか残っていない。
ある日、夕飯を食べていたら胃の辺りに強烈な痛みを感じた。
その前から少しおかしかったんだけど、そのうち治ると思って気にしていなかった。
でも、ご飯を食べ始めたらどんどん痛みが増していった。
しまいには脂汗まで出る始末。
呼吸をするのもしんどくなって、箸を置いた。
「ちょっとゴメン、胃の辺りが痛くて」
とことわり、うずくまった私。
夫はその時点でとてもイライラしていた。
そのイライラを感じ取ってしまい焦ったけど一向に良くならない。
それどころか痛みはどんどん増していき、何回か意識が飛びそうになった。
多分、その間に夫から何か言われたと思うのだが答えられなかった。
それで更に怒った夫が、
「飯食ってんだろーが!」
と訳の分からないキレ方をした。
せめて無視して勝手に食べてくれていたら良いのに。
その場に居るのもダメなのだろうか。
悲しくなったけど他に居る場所も無くて、うずくまったまま
「ごめん。もうちょっと待って」
と再度謝った。
我が家にはもう一つ部屋があるが、そこは夫がいつでも横になれるように布団を敷いたままだった。
子どもや私が使わせてもらうことはできないし、物を置くことも嫌がられた。
ただでさえ狭い我が家で実質的に使えるスペースは一部屋だけという状況。
だから、あの時も隣で横になるということができなかった。
残るはキッチンだが、キッチンは人一人が立つのがやっとのスペース。
うずくまる位ならできるだろうが。
それはそれで、夫が冷蔵庫に何か取りに来た時などに邪魔にされそうだった。
体調を崩すことも許されない
結局、その日はご飯を食べられなかった。
少し経ったら胃痛自体は良くなった。
でも、夕食に並んだものたちはほぼ完食されていたのでご飯しか食べる物が無かった。
まあ、あれだけの痛みがあったんだから食べない方が良いか・・・。
少しだけご飯を口に運び、お終いにしようとしたら夫から
「いつまでそうしているつもり?」
と言われ、ギロリと睨まれた。
それで慌てて立ち上がり、食器をシンクに運んだ。
鬱陶しいと思われていたことは間違いない。
調子が悪そうにしているのが目障りだったのだろう。
子どもが残りの食器を運んできてくれて、
「ママ、大丈夫?」
と夫に聞こえないくらいの声で聞いてきたが、それにも聞き耳を立てていた夫。
『大げさだ』と馬鹿にしたように言って、早くいつも通りに振舞うように要求してきた。
体調が悪くても休むこともできない。
辛そうにしているだけでイライラされる。
それが当たり前だったので、私はとても我慢強くなった。
それと同時に周りにSOSを出すことができなくなった。
胃痛は何度も私を苦しめたが、夫からの影響が大きかったようだ。
離れたら嘘のようにスーッと無くなり、それ以来一度も起きていない。