2024年10月25日金曜日

実家に帰りづらい

いつの間にか孤立

夫は私が両親や姉に会うことを嫌った。

もしかして告げ口されるとでも思ってたのかな。

もし告げ口されることを恐れていたのなら、言われるようなことをしなければ良かったのに。

特定の相手には威圧的で横柄な態度を取るくせに、変なところで気の小さい夫だった。

息の詰まるような日々の中で、子どもや私は気持ちを吐き出す場所が無かった。

義両親が毎週頻繁に我が家にやってきては

「自分たちに吐き出して」

と言うのだが、そんなことできやしない。

真に受けてほんのちょっとだけ夫のことを愚痴ったことがある。

どういう助言をくれるんだろうかと期待したが、聞いた途端に怪訝な顔をして、

「家族なんだから言いたいことを言わなきゃダメだ」

と何故か怒られてしまった。

ほらね。

だから言わない方が良かったでしょう?

そう思ったけど、子どもが可愛いのはどこの親も同じだと思うのでそれ以上は言えなかった。

夫に対して言い返せず、義両親にも言えない。

やっぱり両親や姉に聞いてもらうのが一番なのかもしれないが、それはそれで私の中で悪いことをしているような気持ちがあり、できなかった。

もっとも、そういう機会が与えられなかったから言えなかったというのもある。

実際に自由に交流ができていたらどうなっていたかは分からない。

家族にも言えないとなると、普通なら友人たちに聞いてもらうのが良いのだと思う。

だけど、それもできない状況に追いやられていた。

夫と一緒に過ごすようになり、少しずつ少しずつ親しい人との縁が遠のいていった。

仲良くしていても、ある日突然夫がその人の悪口を言い始める。

どれだけ悪影響かを切々と説き、付き合っていたら碌なことにならないと言う。

それを聞いてしまったら目の前で連絡を取ることができなくなり。

家に居る時に連絡が来ても返せなくなった。

万が一目の前でやり取りなんかしてしまうと、機嫌が悪くなって『俺の言うことが聞けないのか!』となるのでそれも怖い。

そうこうしているうちに一人、また一人と疎遠になっていき、とうとう誰も居なくなった。

仲良くなっても、どうせ夫に嫌味を言われて返事もできないから。

それならば最初から誰とも親しくならない方が良い。

私の心も段々と周りと関わることを拒絶するようになった。


「うちの親には感謝しろ」と言う夫

実家に帰りにくいと言っても、年に1回程度は帰省した。

そういう時には前もって入念に準備をして文句を言われないようにした。

直前に難癖をつけてきて阻止しようとすることも珍しくなかったので、特に予定していた日が近くなってくると私の方もピリピリしていたと思う。

攻撃されるような原因を作ってはいけない。

それだけを考えながら過ごしたと言っても決して大げさではない。

『コレが駄目だから行く資格なし』と平気で言う夫である。

もう両親にも『帰るよ』と伝えてあるのに、『お前たちが悪いから行けないんでしょう』といけしゃあしゃあと言う。

そのくせ、義両親がうちに来ると言っていた日に何か用事ができてしまうと物凄く腹を立てて機嫌が悪くなった。

『お前の親はどうでもいいけど、うちの親には感謝しろ』というスタンスの夫だったので、ある意味これは本人の中ではごく自然なことだったのかもしれない。

こんな偏った考え方をしていたにも関わらず、自分を寛大だと勘違いしていた節もある。

年に1度の帰省の時にもそれが表れていて、『帰らせてやる俺って偉い』という感じがにじみ出ていた。

偉くもなんともないと思うし、何なら事前に行かせないように画策することもあったくせに。

一体どんな考え方をしたらこういう結論に至るのかと頭が痛くなった。

おかしな人だと感じつつも、結婚するってこういうことなのかなと思ったりもした。

当時はとにかく怒らせないようにということだけを考えて生きていたので、帰省が決まってからはより一層慎重に行動した。


帰省前にやらなければならないこと

実家に帰省することになったら、やらなければならないことがいくつかあった。

例えば、その間の食事を作り置きしておくことは必須だった。

好物を考慮しつつメニューを考え、作って冷蔵庫や冷凍庫に入れておく。

夫はその時の気分で食べたいものを選び、レンジで温めて食べるだけだ。

最初の頃はどれくらいの量を用意すれば良いのかが分からず、失敗してしまったことがある。

十分に作り置きしたと思っていたのに、足りなくてコンビニなどに買いに行ったようだった。

その時は夫からではなく義父から注意を受けた。

「実家に帰るなとは言わないけど、(夫)のことももう少し気にかけてやって」

と言われ、何だか物凄く悪いことをしてしまったような気がした。

夫は定期的に通院していたのだが、その予約を取るのも私の役目だ。

帰省中に通院の予定がかぶると事前にきちんと予約を入れておかなければならない。

夫の希望を聞きつつ病院に連絡を入れて、直前まで夫の予定に変わりがないかを確認する。

体調が悪い時に急に行けなくなるのは仕方がないけれど、夫の場合は機嫌一つで行かないこともあった。

せっかく取った予約なのに。

先方に謝りつつ次の予約を取るために動いている時には本当にアホらしくなった。

帰省中は義父や義母が泊まりに来ることも多く、その間の用意も私の役目だった。

「必要なものを聞いて用意してやって」

と言われ、その通りにした。

指示されたことを卒なくこなすだけのロボットみたい。

そこまでやって、ようやく渋々帰省を許された。

実家に居る間だって夫のことから完全に解放されたわけではない。

毎日何度か連絡を入れることを求められた。

しかも、夫側からは普段はめったに連絡してこないくせに、帰省中に限って連絡を入れてきた。

それに出られないと信じられないほど怒り狂うので、電話にはいつも気を付けていた。

あまりにも頻繁に電話をチェックしているので、両親には不審がられた。

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