2024年10月14日月曜日

無職なのに家を買いたい夫

子どもの記憶に働く父親の姿はない

タイトルの字面だけを見るととんでもないですね。

実際に夫は家を欲しがっていました。

でも、無職。

最初から無職だったわけではない。

結婚した時には正社員の技術職として働いていた。

でも、数年後にはもう無職になっていて・・・。

子どもは働いている父親の姿を覚えていないと思う。

まだ赤ちゃんから幼児になる過渡期と言える頃だったから。

スーツを着て仕事に行く父親の記憶はないはずだ。

幼い頃は思ったことを何でも口にしてしまうものなので、夫によく

「パパはおしごと、いかないの?」

と聞いていた。

そう聞かれた夫は悪びれもせず、

「パパはしばらくお休みなんだ」

と言っていた。

一体いつまでお休みするつもりなのよ。

それでも家族に気を遣っているような素振りを見せていたらこちらも可哀そうになったりしたと思うのだが。

夫の場合には一切それが無かった。

私も『肩身の狭い思いをしないように』と気を回し過ぎてしまったのかもしれない。

だから夫ばかりが悪いとは言い切れないけれど。

やはりあんなにも堂々と威張り散らされるとイライラしてしまうことがあった。

イライラを表に出すと機嫌が悪くなって子どもに悪影響だから出さなかっただけ。

それを夫は『現状を受け入れて満足している』と勘違いしていたように思う。


家を欲しがる夫

無職なのだから生活だって節約ばかりになる。

これに関しては夫側からは『お前がもっと収入の良い仕事をすれば良いのに』という意見もあるかもしれないが。

人間、できることは限られている。

私の能力では今の仕事がせいぜいだと思うので、それ以上を望むのなら夫が努力すべきだった。

収入的にも恵まれない中、夫は家を欲しがった。

家ってさ、物凄く高いんだよ?

あなたの貯金を全部出してくれるの?

そう質問したら、恐らく答えは"No"だった。

恐らくと言ったのは、こんなことははなから期待していなかったので聞きもしなかったからだ。

家が欲しいと夫が何度も言っていた時に、

「頭金はどうするの?あなたは幾ら出せるの?」

とカマをかけてみた。

当時既に働いていなかったので、出せるとしたら貯金からになる。

もし夫が全く貯金を持っていなかったら、私だってこんなことは質問しない。

でも、夫は幾度となく私に貯金自慢をしてきたので、少しは出すつもりがあるんでしょう?という気持ちで聞いた。

しかし、夫は

「俺はこれから働けないかもしれないから。今あるものは大事に取っておきたい」

とのたまった。

えっ?!と驚く私。

つまり、頭金もローンも私の担当ということ?

この発言を聞き、頭がクラクラした。

何で自分は一切協力できないのに家なんて高額な物を欲しがるのさ。

納得がいかず、

「それじゃあ、いつまで経っても家は買えないね。頭金を用意するのも一人じゃ大変だし」

と言ったら、目をキッと吊り上げて、

「いつまでも賃貸って訳にはいかねーだろ!」

と乱暴な口調で圧をかけてきた。

腹が立ってうっかり歯向かってしまったのは失敗だった。

いつも緊張の糸が張り詰めた状態なのに、ふとした瞬間に気を抜いてしまうことがある。

そういう時に夫を怒らせるような発言をしてしまい、たびたび後悔した。

家のことを積極的に考えていないと感じた夫は、それから二週間私を無視した。

この時は子どもには無視をしなかったのだが、何度も私の悪口を言っているのが聞こえてきた。

心が折れそうだったけど、まだ子どもが無視されないだけマシ。

そう思って耐えた。


退去のお願いを好機ととらえる夫

大家さんから退去のお願いが届いたことは、夫にとっては好機だったようだ。

この機会に家を買ってしまおう。

終始、そんな雰囲気を出していた。

義両親まで動員して私を説得してくるが、肝心のお金の問題はどう考えているのだろうか。

無理やり話し合いに参加させられた時に、

「どこからお金を出すの?」

と言ってみたら、夫と義両親は口を揃えて

「ローンを組むんだから何とかなるでしょ」

と言った。

それで誰が組むのかを質問したら、当然私だと。

その頃、在籍していた会社がちょっと危うくていつまで仕事があるか分からない状態で。

ローンなんて組める状態ではなかった。

そう伝えても、『何とかなる』の一点張りで話にならなかった。

こんなの受け入れてしまったら大変だという思いで何とか断っていたのだが・・・。

その時に義父が、

「土地代もかからないのに、何をそんなに大変なことがある!」

と少しキレた。

土地代がかからないって・・・。

それってつまり・・・。

鈍い私は、そこでようやく義実家を建て替えさせようとしていることに気づいた。

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