モラハラ加害者の自覚が無い
モラハラをするのはいつも夫で、私は被害者だった。わざと夫が不快になるようなことをした記憶はなく。
万が一間違った選択をしたとしても、その都度謝ったり改善するように努力してきた。
一方、夫はというといつも上から目線で理不尽な怒りをよくぶつけてきた。
何に対して怒られているのかが分からずに理由を問うと、
「そんなことも分からねぇーのか!頭使えよ、頭を!」
と怒鳴った。
そう言われたって、分からないものは分からない。
全く思い当たることが無いのだから。
それでも、正直に『どんな理由で怒られてるのかが分からない』と言うのは危険だ。
分からないのなら話すのも無駄だと無視されるだけならまだ良い。
教育的指導として何時間も説教されるか、酷い時には強い口調でなじられ続けた。
ネガティブな言葉を言われ続けると、人間ておかしくなりますね。
最初は『そっちの言ってることがおかしい』と分かってるのに段々と分からなくなる。
それで思考が停止した状態で【夫のトンデモ理論】を延々と聞かされ続け・・・。
最後には『私はなんてダメな人間なんだろう』と思ってしまう。
きっと洗脳ってこんな風にするんだろうな。
翌日に仕事がある場合でもお構いなしに説教は続いた。
自分は日中に寝ていられるから良いけど。
私は仕事に行かなければならないから眠いなんて言っていられない。
寝不足の中でのデスクワークは結構しんどかった。
しかも、単純な寝不足ではなくて精神的な疲労も伴っている。
メンタル的にズタボロになりつつ身体的にも限界に近い状況で仕事をこなさなければならないことを、夫は『当たり前』だと言った。
このように、夫は家の中で圧倒的に強い存在だった。
これに疑いの余地はないのに、なぜかいつも被害者のように振舞った。
暗くなっても電気を点けないモラハラ夫
秋が深まるにつれて日が落ちるのも段々と早くなる。
それまで自然光で過ごせていた時間でも、電気をつけなければならなくなる。
暗くなったら電気を点けようね、って。
そんなの子どもでも分かる話なのに。
夫は薄暗い中で電気も点けずに過ごすことが多かった。
仕事が終わり、保育園に子どもを迎えに行って家に帰ると、薄暗い中で夫はじっとしていた。
大抵は置物のように座って音楽を聴いていた。
時にはパソコンを立ち上げて何やら作業していることもあった。
こんな暗い中で過ごすのは不便だろうと思って、
「なんで電気つけないの」
と言いながら点けると、何故か舌打ちされた。
夫のことを思って言っているのに、舌打ちされる謂れはない。
こういう時、いつも激しい物音を立てて不機嫌をアピールしたり舌打ちをする。
だから本当は声を掛けづらい。
それでもやっぱり声を掛けた方が良いよね、と思って伝えているのに。
いつもこんな調子なので、有難迷惑なのかと思っていた。
でも、違っていたみたい。
どうやら夫は私の収入を考えて節約しているらしかった。
私のお給料では余裕が無いから、節約できるところは節約しようと考えての行動みたいだった。
それを言われてしまうと何も言えなくなってしまう。
バリキャリではないから稼げる額にも限界がある。
以前、「もう一つ仕事をしようかな」と言ってみたこともあるのだが・・・。
猛烈な反対にあった。
しかも、「俺に対する嫌味かよ」などと言われた。
いつの間にか被害者ポジションにいる夫
率先して節電してくれていたのかと問われたら、答えは『No』だ。
本当は電気代なんて気にせずに点けたいのに点けられない。
それもこれも妻の収入を考えてのこと。
不自由しているけど、仕方がないから協力しよう。
そういう思考回路のようだった。
それで最終的には『電気も自由に点けられない俺って可哀そう』という結論に達する。
つまり、夫はいつの間にか被害者ポジションにいた。
ちょっと私には理解できない。
これって夫が可哀そうなことになるの?
他のことに関してもそうで、いつも【可哀そうな俺】を演じていたように思う。
時々しか会わない人たちは健気なフリをする夫にコロッとだまされてしまう。
そして、『夫さんのことをもっと大切にしてあげて』という目で見られてしまう。
精一杯やってるのになじられて。
部外者からは気の利かない妻だと思われて。
理不尽だなぁとは思うけど、どうにもならなかった。
外面の良い夫は周りを欺くことに関しても天才的だったから。