洗濯は夫が唯一やっていた家事
夫は仕事をしていなかった。毎日家に居て、日中は好きなことをしていた。
いや、夜も好きなことをしていたはずなので、一日中自由時間だ。
別に家の中のことをやってくれたわけではない。
ただひたすら音楽を聴いたり映画を観たり、時にはフラッと散歩に出たりしていた。
辛うじてやってくれたのが洗濯。
確かに有難いけど、家族三人分の洗濯物なんてたかが知れている。
当然一回回せば事足りるので、ほぼほぼ自由時間ということに変わりはない。
ただ、洗濯をやっているということが夫の中では大きな意味を持つようだった。
毎日ただダラダラしているわけではない。
家事だって手伝っている。
そんな俺って偉い、という感じ?
しかも、私がお休みの日などは恩着せがましく大変そうにしながら洗濯を回したりもしていたので・・・。
何だか仕事が休みの日まで任せるのは申し訳なくなって手伝おうとした。
だけど、手伝おうとすると途端に不機嫌になる。
不機嫌になって、『やり方が違う!』と激怒する。
そんなルールがあるなんて知らなかったよ。
次回からは気を付けるよ。
そう思っても、次回になったらまた別のルールができているので意味がない。
多分、夫は自分のテリトリーである洗濯を私に任せるのが嫌だったんだ。
それなら全部自分でやってくれれば良いと思うのだが・・・。
手伝う素振りを見せないと、それはそれで不機嫌になった。
本当に面倒くさいし対応が難しかった。
毎日家に居るモラハラ夫のお昼をどうするか
洗濯以外のことは全てノータッチだった。
掃除はもちろんしないし、ご飯づくりもしない。
平日は私もなかなか時間が取れないので、掃除は週に1回お休みの日にするだけになった。
ここで問題になるのが一日中居る夫。
掃除をしようとするとあからさまに嫌そうなそぶりを見せて舌打ちを始める。
そうは言ってもたまには掃除をしないと子どもだって居るんだからさ・・・。
なだめたり謝ったりしながら掃除をするのも苦痛だった。
毎日家に居るということはご飯の問題もある。
実はこれが長年悩まされたことであり、お昼をどうするかで揉めたこともある。
子どもが小さい頃は作って置いていったりもしていた。
でも、途中から夫が『俺の分は(作らなくて)良い』と言うので作らなくなった。
言われたことをそのまま受け取るのは私の悪い癖なのかもしれない。
その時も裏を読むことなく言われた通りにしてしまった。
だけど本心は違ったようで、義両親から文句を言われた。
「アイツ(夫)のお昼はどうしてるんだ」
と遠回しに聞いてくるので、
「作らなくて良いと言われて作ってないんですよ」
と答えたら、
「体に悪いからちゃんとご飯は食べないとダメだよな」
と言う。
『それは本人に言ってくださいよ』と思いつつ、何度も何度も言われるので困惑。
後からよーく考えてみてハッと気づいた。
そうか、あれは私に作れという意味だったんだ。
だけど義両親がそこまで考えるかな、なんて思ったりもして。
最終的には『思い過ごしかもしれない』とポジティブに考えて気を取り直したのだが・・・。
しばらくしてからハッキリと『お昼も用意してなくて可哀そうだ』と言われた。
それで義両親がせっせと差し入れをしてくれるようになった。
有難いけど、なんかモヤモヤした。
可哀そうってことは、私が酷いことをしてるってことだよね。
確かに至らないところはあるけど、夫にも悪いところがある。
だって、日によっては本当に作っていくことが迷惑だと思われることもあったし。
機嫌が悪い日には手を付けなかった。
残ったものがそのまま捨てられたこともある。
夫の爆発期には勝手に機嫌を損ねてずっと怒っている時もあったのだが。
そういう時には、手をつけずに残しておくのではなく最初からゴミ箱に捨てられた。
そんなことをされても作らない私が責められるなんて。
なんだか理不尽だなーと思ったけど、既に洗脳されていたので『私にも悪いところがある』と思ってしまった。