2024年10月18日金曜日

夫からの連絡を気にしつつ、自由を満喫した二回目の家出

楽しいランチのはずが・・・

予定通り、二人でパスタを食べた。

子どもは、『おいしいね、おいしいね』と言いながら、フォークでくるくると上手に巻いて口に運んだ。

途中までは何の問題もなかったのだが・・・。

もうすぐ食べ終えるという頃に、

「ママ!デザートたべたい!」

と言いながら手を振り上げた瞬間、それは起きた。

振り上げた手にはフォークが握られていて、そこから何かが飛んだ。

その飛んだ先を見ていたら、間違いなく子どもの服に着地していた。

「あぁ~、ダメよ。暴れちゃ」

そう言いながらふき取ろうとしたが取れない。

それもそのはず。

子どもが食べたのはトマトパスタで、濃いオレンジ色が淡い色の服に付着してとても目立っていた。

汚してしまったことに気づき、シュンとする子ども。

「怒られちゃう」

と言いながらうなだれた。

もし夫がこの場に居たら、間違いなく手が飛んできただろう。

でも今は居ないのだから安心なはずなのに、子どもは酷く落ち込んでいた。

このまま家に帰ったら、絶対に詰問される。

こういう時、夫は子どもを追いつめてしばらくは浮上できないくらいに怒った。

それが我が家の日常で、怒られない日は稀だ。

あまりにも落ち込むので可哀そうになって、

「後でつまみ洗いをしてあげるから大丈夫だよ」

と言った。

「きれいになる?」

と聞くので、

「たぶん大丈夫だよ」

と答えるとやっとホッとしたようだった。

実は以前にも食事中に服を汚してしまい、そのまま帰ったことがあった。

その時、夫は耳が痛くなるくらいの大声で、

「何やってんだよ!もうお前は出かけさせねーぞ!」

と怒鳴った。

それからもチクチクと『お前は何もできなくて手間ばかりかけさせるんだから、どこにも行くなよ。迷惑だから』と言い続け、子どもは反論もせずただじっと聞いていた。

それからしばらくは夫に用事を頼まれて買い物に出る時も、子どもに、

「迷惑だから行くなよ。じっとしてろ!」

と命令して、部屋の隅でただひたすら座らせていた。

そんな時は部屋の中を自由に歩くこともできない。

本などを取りに行こうとするとギロッと睨まれる。

それが怖くて隅っこで膝を抱えて過ごしたようだ。

あんな風にされたら大人だってビビッてしまうと思う。

せっかくの時間を満喫しようとしているのに、色んな場面で夫の影がちらつく。

自由を忘れてしまった私たちは、楽しむことに対してとても不器用だった。


ランチを食べた後は公園へ

ランチではちょっとしたハプニングがあったが。

夫の居ない貴重な時間を無駄にすることなんてできない。

私は落ち込んでいる子どもをくすぐって笑わせた。

最初は困ったような顔をしていたのだけれど次第に笑い始めて、最後は本当に楽しそうな笑顔に戻った。

「次は何をしようか」

そう言いながら手をつないで歩く私たち。

どこから見ても幸せな親子に映っていただろう。

実際にこの時はとても幸せに感じた。

何もおかしなことなんて無いのに、二人で顔を見合わせては笑った。

優しい時間だった。

お腹もいっぱいになって歩いていたら、近くに公園があることを思い出した。

そこは近くにちょっと変わったショップもあり、前々から行ってみたいと思っていた場所だ。

子どもに聞いてみたら『良いよ』と言うので、途中でクレープを買って公園に移動した。

到着後は、座ってクレープを食べた。

その時にまたしてもハプニングが発生!

クリーム部分がボロッと落ちて危うく子どものシャツに落ちるところだった。

間一髪のところで私が素手でキャッチして事なきを得たが、危なかった。

私の方はヒヤッとしたのだが、『キャー』と言いながら手を差し出した私がおかしかったようで、子どもは声をあげて笑った。

家に居る時はいつも小さな声で話しているけど、本当のあなたは違うんだよね。

本当はもっと元気で活発で、コロコロとよく笑う子なんだよね。

無邪気な子どもの様子を見ていたらたまらなくなり涙が出そうになったが、何とかこらえた。

せめて今日だけは楽しい一日を過ごさせてください。

そんな祈るような気持ちだった。

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