2025年6月24日火曜日

『夫の具合が悪化した』と真夜中の電話

夜中の1時に突然の電話

その日、私は仕事で疲れて早めに就寝していた。

寝始めてから2時間くらいが経った頃だろうか。

急に枕元に置いてあった電話が鳴った。

『こんな時間に誰だろう』と思いながらディスプレイを見るとお義母さんだった。

最初は寝ぼけていてメッセージが届いたのかと思ったが、電話だった。

急いで出てみると、お義母さんが慌てた口調で、

「あのね、ちょっと今(夫)の具合が悪くなっちゃって」

と話し始めた。

真夜中の電話に叩き起こされた感じなので、まだ頭が働いておらず、

「えっ?大丈夫なんですか?」

という少々呑気な返事をしてしまったのだが、そんな私の問いかけも耳に入らないほどお義母さんは慌てていた。

話を聞いていてもどういう状況なのかがちっとも分からなくて、

「具体的にどんな症状なのかを教えてもらえますか」

とお願いしたが、

「どうしよう」

と繰り返すばかり。

そうこうしているうちに私も段々と目が覚めてきて、声を抑えながら立ち上がった。

隣を見ると子どもはスヤスヤと眠っている。

話し声で起こしてしまったら可哀そうだと思い、リビングに移動した。

時計を見ると1時を少し回ったところ。

先輩も寝たらしく家の中はとても静かだった。

ソファに座り、口元に手を当てながら、

「今どのような症状がありますか?何時ごろから具合が悪くなったんですか」

などと色々な質問をした。

医療機関に連絡をする必要があるかを判断したかった。

そこにお義父さんが居ないということも確認でき、

「いくら電話しても出ないのよ。あの人一度寝ると起きないから」

と怒っていた。

お義父さんと連絡が付かないから余計にパニックになったに違いない。

話していたらお義母さんの方の電話に着信があったようで、

「ちょっと待ってて。また後でかけるから」

と言われ、そこから15分ほど待った。


翌朝病院が開くのを待って受診することに

その後、再び電話がかかってきたのは1時半近くになってからだった。

先ほどの着信はお義父さんからだったらしく、

「今から来てくれるって」

とホッとした様子だった。

夫の症状も落ち着いてきたので、とりあえず朝になるのを待つとのこと。

お義父さんがお義兄さんを叩き起こして車を運転してもらい、我が家へと向かった。

お義兄さんもさぞかし驚いたでしょうね。

お義父さんは本当は自分の通院があってお義母さんにバトンタッチしたらしい。

でも、そんなことを言っていられる状況ではなくなった。

真夜中の我が家に夫と義両親、お義兄さんが集まり、雑魚寝をして朝になるのを待った。

お義兄さんが居ないと受診するのも大変だ。

我が家には車が無く、タクシーも自分たちで手配することはない。

面倒なのか、いつも私に「○○時にタクシー呼んでおいて」と言っていた。

その私が居ないのだから、自分たちで呼ぶよりはお義兄さんに頼んでしまおうと思うのが自然だろう。

電話を切った後、私ももう一度眠ろうとしたがなかなか寝付けなかった。

変な時間に起こされてしまったというのももちろんあるが。

いつもどこか演技がかっていて効率の悪いことを嫌う夫が、夜中に誰かを頼りたくなるくらい具合が悪くなるってどういう状況?と色んな想像をしてしまった。

世間体を気にする人なので、わざわざそんな時間に体調不良をアピールすることはない。

となると、翌朝を待てないくらい本当に具合が悪かったということか。

離婚話の件でご飯を食べなくなったりしていたから。

何だか後味が悪くて、眠れなくなった。

悶々と考えていたら、隣で眠る子どもが楽しい夢でも見ていたのか急に『キャハハ』と笑った。

普段なら笑い話だけど、あの日は変な緊張感があったので更に眠れなくなってしまった。

居所不明の別居状態が続く・・・

「そろそろ居場所を教えろ」と言われたけれど 家を出て以来、夫とは携帯一つでつながっていた。 連絡手段を絶つと離婚の交渉ができなくなる。 そう思って、完全に関係を絶つことを避けた。 連絡を取り続けていると、相手も望みを持つものだ。 『元に戻れるのではないか』というのが言葉の端々から...