2025年6月13日金曜日

予告通り、捨てられていた子どもの服

こっそり自宅を見に行った夜

時刻は8時半、あと30分で子どもが寝る時間だった。

寝付くのを待ってから出かけた方が良いのか迷った。

でも、遅く出たら戻るのが深夜になってしまう。

少しでも早く出た方が良いかと思い、子どもに説明することにした。

不安にさせないように伝え方も考えたつもり。

夜に出かけることなんてほとんど無いから子どもは最初何事かと驚いたようだが、事情を説明したら納得してくれた。

と言っても、まさか

「あなたの服などが捨てられてしまいそうだから、家に戻って確認してくる」

とも言えないので、

「受け取り忘れた物があるので取りに行ってくる」

とだけ伝えた。

何とか信じてくれたけれど、

「ママが帰ってくるまで起きていたい」

と言い始めたのには困ってしまった。

途中で寝てしまう可能性が高いが、それでも心配しながら待っている姿を想像すると胸が痛んだ。

「絶対に寝ない」

と言い張る子どもを無理やり寝かせることもできない。

それで、仕方なく先輩に頼んで出かけることにした。

駅に着くと、ちょうと急行が来ているのが見えたので私はそれに飛び乗った。

家を出た後もかなり走ったので、最短時間で移動できたと思う。

その後、乗り換えを経て最寄り駅に到着。

そこから再び走り、家の近くまで移動して少し離れた場所から様子を窺がった。


こっそり家の前まで行ってみたら・・・

家の灯りがついていた。

夫がまだ起きているということだ。

お義父さんかお義母さんか、あるいは両方が居るはずなのだが。

二人とも早い時間に就寝するため、起きているとしたら夫だろうと思った。

私は警戒しつつ部屋の前まで移動。

そこで、注意深く耳を澄ませた。

時折テレビの音のようなものが聞こえてくるが、それ以外の話し声などは聞こえてこない。

外に出てくる気配も無いことを確認し、玄関脇に出されていた袋を持って物陰に移動した。

こういう時、夫は捨てる物をわざわざ玄関の外に出す。

翌日はまだゴミの日ではないのに、怒った時にはいつもそうしていた。

恐らく、捨てる物を家の中に置いておくのが嫌だったのだろう。

コソコソとゴミ袋を漁っている時、誰にも見られなくて本当に良かった。

暗闇の中そんな人が居たら、絶対に驚かせてしまうから。

不審人物として通報されないように、常に低い姿勢を取って外から見えないようにということも気を付けた。

袋を開けてみると案の定子どもの服が入っていて、更に私の服も・・・。

まさかそれを全部持って行くわけにもいかないので、持ち帰るものを厳選した。

用意しておいた袋へと移動させた後は再びゴミ袋を縛って元の位置へ。

暗闇での作業だったので、結構手間取った。

この間、夫に勘づかれてしまったらどうしようという不安もあり・・・。

緊張で心臓をバクバクさせながら作業していた。

でも、幸い気づかれることなく終えることができた。

ゴミ袋を戻した時に一度だけ扉が開くような音がしたので、ドキッとして思わず息を止めた。

だけど、どうやらトイレに入っただけのようだった。

そのまますぐに駅に戻り、電車に乗って帰ったら到着したのは間もなく11時という頃だった。

居所不明の別居状態が続く・・・

「そろそろ居場所を教えろ」と言われたけれど 家を出て以来、夫とは携帯一つでつながっていた。 連絡手段を絶つと離婚の交渉ができなくなる。 そう思って、完全に関係を絶つことを避けた。 連絡を取り続けていると、相手も望みを持つものだ。 『元に戻れるのではないか』というのが言葉の端々から...