2025年4月9日水曜日

夫の知らない滞在先を確保できた経緯

どこも宿泊費が高くてため息・・・

本当はもう少しお金を貯めてから家を出たかったな。

お財布の中身を見ながらため息をついていたら、子どもが

「ママ、今日どこにお泊りしようか」

と言った。

恐らく子どもも家に帰れないであろうことは分っていて不安になったのだろう。

「おじいちゃん家に行く?」

と聞いてくるので、

「それは無理なんだよ。このあたりのホテル探してみようか」

と答えた。

子どもはてっきりうちの実家に行くと思い込んでいたようで、

「え~何で行けないの?」

と不満そうだったが、

「もう少し落ち着いたら絶対に行こうね」

と約束して、私は再び宿泊する場所を探し始めた。

実家に行けば宿泊費は掛からないが、それは絶対に避けなければならなかった。

夫がすぐに探し当ててしまう所はリスクが高すぎる。

怒り狂った夫が何をするか分からないから、全く知らない場所が良いと思った。

万が一何かあっても私に対してならまだ納得できるけど。

子どもや両親にその矛先が向かうのだけは絶対に回避しなければと考えた。

夫の予想できない宿泊場所を確保する必要があるということは常に頭の片隅にあった。

だけど、実際問題そんな所なんて思いつかなくて、とりあえず今日泊まれるところだけでも確保しなければという感じになっていた。

それにしても一泊するのにこんなにかかるのか。

これだといつまで泊まれるか分からないな。

お金の不安も抱えつつ、なんだかんだと1時間以上も探し続けた。

でも、なかなか見つからなくて『この辺りを歩いてみようかな』と立ち上がった時、見覚えのある人にばったり会った。

相手は私を見るなり『あっ』と小さな声をあげ、笑顔で近づいてきた。

その人は以前勤めていた会社の先輩だった。

専門職でバリバリ働く人。

当時はその人に憧れて、少しでも近づきたいと頑張った。

結局は途中で転職して一般職にうつってしまったのだが・・・。

もし続けていたら『彼女のようになりたい』と目標にし続けたと思う。

懐かしいその顔は以前と変わらず活き活きとしていて美しかった。

私とはまるで月とスッポン。

きっと今どんよりとした顔してる。

自分に自信が無さ過ぎて、向かい合いながら話すのも恥ずかしくなり俯いた。

それなのに彼女は

「あの頃と変わらないねー!」

と言って、子どもに『こんにちは~』と挨拶してくれた。

聞けば、仕事の打合せのために休日出勤をしていたのだと言う。

その打合せも終わり、この後はフリーだとのこと。

「ご飯でも食べに行こうか」

と誘っていただき、私たちはそのまま夕食を一緒にとることになった。


先輩の家でしばらくお世話になることに

先輩は少し静かなレストランに案内してくれた。

食事をし始めてからは一緒に働いていた時のことなんかを話していたのだが、急に

「何か話したいことがあるんでしょう」

と言われてドキッとした。

やっぱり困っているように見えたのかもしれない。

だけど、こんなヘビーな話を先輩にするわけにはいかないと思って、

「何言ってるんですか~。何も無いですよ」

と答えた。

私としては上手くごまかしたつもりでも、先輩にはお見通しだった。

「バレバレなのよね。前からそうだけど隠し事できないタイプでしょ」

と優しく笑った。

気が張っていたせいなのかな。

それとも結構メンタルにきてたのかな。

先輩の優しさに触れた途端、涙がドバっと出てきた。

自分でも何でこんなに泣けてくるのか分からなかったが・・・。

ただひたすら涙が止まらなかった。

子どもの前でこんな風に泣くなんて。

早く止めなければと焦っていたら、先輩が子どもに

「ママはね、おばちゃんと久々に会えてうれしくて涙が出ちゃったんだって」

とフォローしてくれた。

それを聞いた子どもは嬉しそうな顔で

「ふーん、そうなんだ。ママ良かったね」

と言った。

こういう時にさり気ないフォローをしてくれるところも、ちっとも変っていなかった。

少し落ち着いた後、

「今日は、この後どうするの?」

と聞かれたので、正直に

「宿泊できるところを探してるんです」

と答えたら、

「じゃあ、とりあえず家に来なよ」

と言ってくれた。

あの日、偶然再会した先輩に私たちは助けられ、結果として離婚することができた。

この後のことは身バレ防止のためにどこまで書けるか分からないが・・・。

普段外に出ても近所の人にさえ会わないのに、10年ぶりに先輩に会ったということ自体がまず奇跡だった。

こんな事ってあるんだな、としみじみと思った。

夫からの驚きの提案

「毎日声が聴きたい」 重い気持ちで、 電話をかけた。 話し始めた瞬間から、 どうやって切り上げようか、 そればかりを考えていた。 それほどまでに、 夫との電話が嫌だった。 ずっと避けてきたのは、 怒鳴られたり、 なじられたりするのが 怖かったから。 それに、 夫のペースに乗せられ...