2025年7月4日金曜日

居所不明の別居状態が続く・・・

「そろそろ居場所を教えろ」と言われたけれど

家を出て以来、夫とは携帯一つでつながっていた。

連絡手段を絶つと離婚の交渉ができなくなる。

そう思って、完全に関係を絶つことを避けた。

連絡を取り続けていると、相手も望みを持つものだ。

『元に戻れるのではないか』というのが言葉の端々から感じられた。

だけど、そんな夫の思いとは裏腹に別居生活は続いた。

待てど暮らせど家にも戻らず、今いる場所さえ分からない。

そんな状況にしびれを切らしたのか、夫はとうとう

「今いる場所を教えろ」

と言い始めた。

もしバレたら連れ戻しに来ることは私でも簡単に想像できた。

だから、絶対に知られてはいけないと思った。

それまでも細心の注意を払っていたけれど、それ以上に気を付けるようになった私たち。

子どもなんて、近所に買い物に行く時でも周りを気にするようになった。

せっかく束の間の憩いの時間を手に入れたのに、離れて暮らす夫の影に怯えて暮らす日々。

本当にバカらしいと思うのだが。

恐怖を消し去ることはできなかった。

そして、この恐怖は完全に関係を断ち切るまでは続くのだろうと思った。

居場所を聞くために子どもを利用しようとしているな、と感じることもあった。

その話になった時、突然思い出したように

「そう言えば、(子ども)にちょっと聞きたいことがあったんだわ。代わって」

と言われ、警戒した。

絶対何か企んでいると思って代わらなかった。

あの流れから察するに、子どもなら居場所を漏らすだろうと思ったのではないだろうか。

確かに小学生の子どもなら、上手く誘導して話を聞き出すこともできる。

本人は言いたくなくても、気づかないうちに言わされてしまう可能性だってある。

あの時、私も何か変だなと思って代わらなかったのは正解だった。


長引く別居生活に心は疲弊

夫と離れて暮らすことはとても幸せだ。

たとえその生活が確約されたものでなくても。

私たちは地獄のような日々を送ってきたから、それだけで満たされていると感じられた。

問題は、この生活を続けられるのかという事と、別居中で様々な制限がある事だった。

一度先輩と、

「住所変更した方が良いんじゃないの?」

という話になったが、思い直して止めた。

住民票から居場所を辿って会いに来るかもしれないから。

変更しなければ安心だが、ずっと表記上の住所地には住めず宙ぶらりんの状態になる。

子どものこともあり、『現状のままいくのは良くないな』とも思っていた。

思ったところで何もできず・・・。

せいぜいできるのは、時々夫に対して交渉を進めるようお願いすることだけだった。

そんな暮らしの中で良いこともあった。

例えば、姉と自由に会えるようになったこともその一つ。

夜ご飯を食べに出かけられるようになった。

夫の目を気にする必要もないんだ。

そう思うだけで、飛び上がりたいくらい嬉しかった。

子どもも自由に出かけることを満喫する心の余裕ができてきたようだった。

出かけた日には必ず先輩にお土産を買って、

「一緒に食べよう」

と渡していた。

何故かいつもお土産は食べ物で、しかも子どもの好物だった(笑)。

それを夜みんなで食べながら、まったりとテレビを見る時間。

穏やかで幸せだったな。

そんな時間を過ごせたのも、ずっと面倒を見てくれた先輩のお陰だ。

今も時々連絡を取り合い、未だに私たちの心配をしてくれる。

そんな先輩は、本当は人じゃなくて神様なんじゃないかと思う時がある。

居所不明の別居状態が続く・・・

「そろそろ居場所を教えろ」と言われたけれど 家を出て以来、夫とは携帯一つでつながっていた。 連絡手段を絶つと離婚の交渉ができなくなる。 そう思って、完全に関係を絶つことを避けた。 連絡を取り続けていると、相手も望みを持つものだ。 『元に戻れるのではないか』というのが言葉の端々から...