保育園のお友達に対する競争心?!
同じ保育園に通う子が急にお勉強に目覚めた。その子のお母さんから話を聞いて、私はただ『凄いなぁ~』と思っていたのだが。
夫は違ったようだった。
聞いた途端にわが子にも勉強させなければという雰囲気になった。
そうは言ってもまだ3歳や4歳の子どもである。
勉強するよりも遊ぶ方が好きに決まってる。
強制されたってやるわけがない。
それなのに、夫は早速対象年齢が少し上のドリルを買い与えた。
この選択自体も実に夫らしいと思う。
最初からあえて難しいドリルを与えるなんて。
レベルも分からないのに闇雲に無茶をさせるようなものだ。
それでも、やらせてみて『やっぱり難しいか~』と優しく見守れるタイプならまだ良い。
夫はできなければできないで責め立てる。
責め立てたってできるようになんてならないし、子どもは嫌がったり怯えたりするようになる。
優しく教えられないのなら早期教育は反対だと言ったけれど即却下された。
「お前は文句ばっかり言うけど。じゃあどうするんだよ!」
と言われ何のことか分からずにいると、
「このままコイツが馬鹿でどうしようもない人間になっても責任取れるのか!」
と大声で喚きたてた。
正直驚いた。
子どもがこれからどう成長するかは未知数で、無限の可能性を秘めている。
それを信じてあげるのが親の役目だと思っていたのに。
夫は既に子どもをネガティブな目で見ているようだった。
3~4歳から足し算、引き算
一度勉強させると決めたら、絶対にやらなければ気が済まないのが夫である。
有言実行と言わんばかりに大量のドリルを買い与え、毎日机に向かわせた。
勉強机なんてないから、ちゃぶ台でやっていた。
そうすると必然的に正座になる。
幼児が正座なんて長時間できるはずもなく、子どもは早々に音を上げた。
「足がいたい~」
と言いながら立ち上がろうとしたが、痺れて力が入らないらしい。
それを見た夫は、気遣うどころか
「こんな短時間で止めて良いって誰が言った!」
と怒鳴りつけた。
そんな風に怒られたって、無理なものは無理。
半べそ状態になって私の後ろに隠れた子どもを守るようにしながら夫に言った。
「こんなことやらせる必要ないでしょ」
「まだ早いよ。本人がやりたいって言うなら別だけど」
納得してくれれば良いなと思って言った言葉だったが、夫は言葉尻をとらえて、
「本人がやりたいと言えば良いんだな!」
とますます意固地になった。
こうなるともう手が付けられない。
誰が何を言っても自分の意見が正しいと信じて疑わないのだから。
反対する私を振り切り、嫌がる子どもを威圧しながら無理やり『やりたい』と言わせてしまった。
そして、いきなり足し算や引き算を教え始めた。
『バカ』と連呼する夫
勉強を教えながら、『バカ』と連呼することも気になっていた。
幼い子どもが何度も『お前はバカだ』なんて言われていたら、自己肯定感が低くなってしまうのではないだろうか。
そんな懸念を持ちつつも、止めることができないでいた。
ある日、夫の友人が遊びに来た。
その人がトイレに入り、壁に算数のプリントが貼られているのを見つけて、
「お前んところ、すごいな。もう勉強させてるの?!」
と驚いたようだった。
そう言われた夫は、
「そうなんだよ。コイツがやらせてるんだよ」
と私を指さした。
えっ・・・と驚きつつ固まる私。
これまで一度たりとも主導したことはない。
むしろ、夫が無理やり勉強させるのを止めようとしていた。
それなのに、私がやらせていることにするなんて。
酷いな、と思いつつも夫にも後ろめたい気持ちがあるんだと感じた。
それなら今すぐにでも止めてくれれば良いのに。
陰ではスパルタとも言えるような指導を続けた。
そういう夫を見て私の愛情はどんどん減っていき・・・。
そんな私に更に夫が強く当たるという悪循環。
こんなカオスな環境で子育てなんてしたくなかったよ。
弱音を吐きそうになりながらも、私自身がどこか自分に自信が無くて離れることを決断できないでいた。
決断できない間もどんどん悪化する夫の態度。
既に子どもが3~4歳の頃から散々悩んだ。
本当にこの世の終わりのような顔をして過ごしていたと思う。
だけど、後から考えたらこの時はまだまだマシな方だった。
大きくなるにつれてどんどん酷くなり、私たちは追い詰められていった。