2024年11月2日土曜日

『普通の子』では愛せない夫

日々勉強を強いられていた我が子

うちの子は、おっとりとしたタイプだ。

皆のリーダーになるようなタイプでもなければ、授業中に積極的に発言するタイプでもない。

競争心というものも無く、のんびりとした空気をまとっている。

私も同じようなタイプなので気が合った。

でも夫は違う。

せっかちで人の後ろに居るような人生を好まない。

考え方は人それぞれなのだからもちろん否定はしないけど。

人に押し付けるのは止めて欲しいと常々思っていた。

保育園児の頃から勉強をさせられていた子どもは、やはり学習ものんびりペースだった。

でも、夫はそれを許さなかった。

ゆっくりゆっくり解いていると、まだ考えている最中なのに

「こんな問題まだできねーのかよ!」

と怒った。

そうは言っても幼児なんだから、机に向かうだけでも奇跡だ。

夫が求めるのは非常に高いレベルなので、スイスイ解いていくような姿を期待したのだと思う。

ちなみに、この頃に与えられた課題は算数。

まだ文字が読めなかった子どもは国語関係には手をつけられなかった。

そしてそれは夫にとって非常に都合の良いことだった。

というのも夫は文系を馬鹿にしている節があり、子どもにも理系に進むことを期待していた。

何度も言うが、この時点でまだ幼児。

幼児に対して期待が大きすぎるように思う。

自分が一番正しいと信じて疑わない夫は、算数が大事だから早期教育をしてできるだけ伸ばしておきたいという意見を曲げなかった。

可愛い我が子だから、つい力が入ってしまう。

そういうのは私にだってある。

しかし、夫の場合はできない時には子どものメンタルがやられるんじゃないかと思うくらいに怒った。

そんな姿を何度も見ていたので、愛情からではないことは薄々分かっていた。


平凡な人間になるな

平凡な人間になったら良い人生は歩めない。

それが夫の考え方である。

まだ勉強なんて好きなのか嫌いなのか分からないような小さな我が子に向かって、常に勝ち負けを説いた。

聞いている子どもの方はサッパリ分からなかったと思う。

それでも目を合わせて話を聞き、分からないなりに何度も頷いていた。

そうしないと怒られることを学習したのだ。

夫は都合の良い解釈をするので、従順に聞いているのだから『子どもも望んでやっている』といつも言っていた。

『そんなはずはない』と反論しても私の話になんて耳を傾けることはない。

最初は算数の問題を1日30分程度やっていた。

まだ小さいんだから十分だと思うのに、

「ペースがつかめてきたら少し時間をのばした方が良いな」

と言った。

これ以上勉強させるなんて可哀そうすぎる。

平日は保育園に預けられて、帰宅後にはご飯ができるまでの間にドリルを解く。

休日くらいは伸び伸びと過ごせるのかと思いきや、せっかくだからと午前中のうちから机に向かわせる。

子どもだって集団生活を送れば疲れるんだから本当は休ませたかった。

でも、『怠けたら負ける』という訳の分からない理屈により止めることは許されなかった。

この頃、子どもは夫が居ない時に『あそびたいなぁ』とポツリと言うことが多くなった。

でも夫が戻ってくると嫌々やっているのを悟られまいと真剣な顔で鉛筆を握った。

小さな手で必死に鉛筆を握る姿を今でも思い出すことがある。

夫の顔色を伺いながらビクビクしているのを見て、何度もこのままではいけないと思った。

でも、意見を言うことは許されなかったし、離れたいと思うこと自体が許されないことなのだと錯覚していた。

その日を無事に過ごすには、子どもが与えられた課題を問題なく解くしかない。

間違った考えだと分かりつつも、そうするしかなかった。


『普通の子』では愛されない

怯えながら勉強するものだから、なかなか集中できなくて解けないことも多かった。

そもそも対象年齢よりも上のドリルなんだから、解けなくて当たり前なのだが。

それではいけないのだと、子どもなりに感じていたようだった。

「これじゃパパに嫌われちゃう」

そう言われた時、本来なら

「そんなこと無いよ。できないからって嫌ったりなんかしないよ」

と言ってあげたかったけど言えなかった。

だってそれは嘘になってしまうから。

現に夫は『普通のレベル』では満足できなくて、解けない時に酷い言葉でなじっていた。

できた時でも褒めることはない。

『こんなの、できて当たり前だな』

という態度だ。

小さいうちは毎日色んなことを吸収する。

日々の生活の中から。

遊びの体験から。

保育園の集団生活から。

色んなシーンで様々なことを学んでいく。

そういう日常の体験が大事なのだと夫に伝えたこともある。

しかし、夫は

「俺のやり方に口を挟むな!」

と私の意見を一切聞き入れなかった。

それを目の前で見ていた子どもはますます委縮した。

そして、勉強しなければパパに見捨てられるという強迫観念にかられた。

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