2024年11月29日金曜日

貸金庫を借りたモラハラ夫

夫が突然、貸金庫を契約

ある日、夫が急に

「明日、貸金庫の契約に行ってくるわ」

と言った。

事前に色々と調べてあって、電話で空き状況も確認済みだと言う。

私にとっては突然のことだったので、驚いて何か裏があるのではないかと思ってしまった。

夫からしたら突然決めたことではなく、前々から利用したかったようだ。

一番小さいものならそれほど費用も高額ではないから借りることにしたと言っていた。

「ランニングコストがかかっても安全には代えられないから」

という夫の言い分も分かる。

賃貸住宅だし、セキュリティも万全とは言えない。

何より大事な物を入れておくような収納場所も無い。

だから、安心して置いておける場所を求めたのだろう。

どこの店舗に預けるのかも教えてくれた。

既に預けるものが整理されてポーチに詰め込まれていて、準備は万端だった。

せっかく借りるのなら入れておきたいものもあるな・・・。

私にも声を掛けてくれないかなと思ったのだが、すぐに考えを改めた。

貸金庫は確かに安全だけど、夫が居なければ自由に取り出すこともできない。

それだと私にとっては全然便利ではない。

それに、何を預けるのかを逐一管理されるのも嫌だ。

だったら家の中にまとめて置いておいた方がまだマシかもしれない。

色々考えて『やっぱり今のままで良いや』という結論に達したのだが、少しして夫が急に

「お前も入れておきたいものある?」

などと優しい言葉をかけてきた。

珍しいこともあるもんだ。

妻には優しさを与えない主義なのに。

声を掛けられるまでは不便だと感じていたはずなのだが・・・。

一緒に入れさせてもらえるとなったら急にそちらの方が良いような気がしてしまい、咄嗟に

「じゃ、入れる物をまとめておくね」

と答えてしまった。


夫が貸金庫に預けた物

預けると言っても、私にはそれほど多くの物はない。

小さなポーチに収まるくらいの量だ。

だが、夫のは割と大きめのポーチがパンパンになる位に色々詰め込まれていた。

チラっと見えたのだが、主に通帳や保険の証書が入っていた。

それを見て、ふと思った。

そんなところを利用したいと思う位に持っているってことだよね。

家が不安だと言うけれど、心配になるほど持っていなければ気にならないはずだし。

夫婦と言えど財産は各自で管理していた私たち。

まさか夫が貸金庫に手を出すほど潤っているとは露知らず。

生活費のほとんどを私が負担していた。

でも、もし余裕があるのなら少しでも良いから負担して欲しい。

家賃や食費は出すから、せめて光熱費だけでも。

こんなことを一度考え始めてしまったらモヤモヤが止まらなくなった。

あー考えなければ良かったよ。

少しだけ後悔していると、夫が満足そうに

「これで安心だな」

と言った。

夫は秘密主義だ。

付き合い始めてからかれこれ10年近くが経過していたのだが。

預金がいくらあるとかも全く知らなかった。

その代わりに私のことも聞いて来なかった。

あっ、聞かなかったのは期待してなかっただけか(笑)

とにかく、こういった情報を共有することのない夫婦だったので、この時もただ『結構持ってるのかな』とふんわりと思った程度だった。


今の貸金庫って凄い!

一緒に預けに行った時、そのハイテクぶりに驚いた。

自分の金庫が自動で届くようになってるんだね。

それを持ってきたキーで開けて必要に応じて中身を取り出したり新たに預けたりして、用が済んだら再び鍵をかける。

その後はまたボタン一つで自動で戻って行く。

これなら面倒ではないし、行員が居なくても操作できるから確かに使い勝手が良い。

利用し始めてから夫はことあるごとに貸金庫に足を運んだ。

そして頻繁に出し入れしていたようだ。

時々は都合がつけば私も同行した。

何度か足を運んだ中で、ちょうど免許の更新で免許証を取り出そうとした時があった。

でもポーチから出すのが何となく面倒で、小さな物だしそのまま持って行くことにした。

無事に免許の更新を終えた後も貸金庫に戻すことなく、そのままに。

『夫とタイミングが合った時に入れにいけば良いや』

いつものグータラな思考でずっと預けそびれていたのだが・・・。

結果的にこれはファインプレーとなった。

離婚の話が出た時に夫は

「全ての話が済むまでは銀行に預けた物は出さないから」

と脅してきた。

そんなことを言われて私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。

銀行に預けてるって何のこと?

それで分かったのだが、夫は私が自分の分を取り出したことに気づいていなかった。

だからそれを脅しに使ってきたようだった。

黙っていた方が都合が良いので私は気づかないフリをした。

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