2024年11月3日日曜日

お風呂はシャワーで済ませるという暗黙のルール

シャワーしか許されない

私も子どももお風呂が大好き。

熱めのお湯にゆっくりと浸かっていると気持ちまで和らいでくる。

特に疲れた日や寒い日には湯船が恋しくなった。

普通なら『今日は寒いから湯船にしようね』なんていう会話をするんだと思うのだが。

我が家は違った。

シャワーを浴びるという選択肢しか用意されていなかった。

万が一それに不満そうな顔をしたら途端に夫の機嫌が悪くなった。

『お風呂に入りたい』と言うこともできないなんて異常だと思う。

異常でも何でも我が家ではそういうルールだったので、私たちは従うしかなかった。

それでも今日は何とか湯船にゆっくり浸かりたいなと思う時、

「今日は本当に忙しくて疲れたなぁ」

と言ってアピールすることがあった。

アピールしていれば、『今日だけは仕方がない』と思ってもらえるかもしれない。

でも、そんな期待は見事に打ち砕かれた。

夫からしたら私が疲れていようがどうでも良いことなので優しい言葉をかけられることはなかった。

子どもは私よりもっと辛い。

体が小さいからすぐに冷えてしまう。

寒い中、ブルブル震えながらシャワーを浴びていると可哀そうだった。

自分が寒さで震えるよりも堪えた。

だけど、あまりに震えていると夫は怒った。

「大げさにしやがって!」

と怒鳴られるので、子どもは寒くても我慢した。

できるだけ冷えないようにとお風呂上りにすぐにタオルで拭いてあげて、パジャマを着せていると、

「甘やかしてんじゃねーよ!」

とこれにも怒った。

結局何をしても気に入らないのだ。

自分の言うことを聞くのが当たり前だと思い込んでいて、従わないと手が付けられないくらいに怒り狂った。


寒い季節のシャワーで風邪を引いた日

少し風邪気味でもシャワーで済ませていた私たち。

子どもが風邪気味でも湯船に浸かるというお許しは出ない。

だから我慢して浴びていたのだが・・・。

ある時、子どもが本格的に風邪を引いてしまった。

小さい時には気管が弱くて、風邪を引くとすぐに咳が出た。

その時も咳が出始めて、段々と酷くなってしまった。

起きている時はかなり頻繁にコンコンと咳をしていて、夜横になった後も咳で目覚めて。

その都度本人も目を覚ましてしまうから大変だったと思う。

そのまま治まりそうな時には少し上半身を高くしてあげて背中をさすった。

止まらなそうな時には一度座ってもらい、お水を飲ませた。

そうすると段々と落ち着いてくる。

子どもが大変な思いをしている時って、親も気が気ではない。

今回の風邪は酷そうだな。

明日、また病院に行って診てもらわなきゃ。

半分寝ぼけながらそんなことを考えていたら、夫がむくっと起きてきて言った。

「うるせーんだよ、こんな時間に!」

キレながら乱暴に自分の布団をめくり、舌打ちをして私を睨みつけた。

これが子どもを睨みつけたのなら怒りが沸いたと思うのだが、その時はターゲットが私で良かったとホッとした。

子どもだって、辛い中叱られたら余計に苦しくなってしまう。

もっとも、咳のことを責められているのだから、間接的に子どもを責めているのに違いはないのだが。

不条理な怒りを向けられたのに、私は謝りながら子どもと一緒にキッチンに移動した。

こういう時、歯向かっても面倒なことになるだけ。

それなら、こちらから離れて安全な場所に移動した方が良い。

逃げのように感じるかもしれないが、それが私なりの策だった。


シャワーしか許されない理由を考えた

なぜこんなにも湯船に浸かることを許してもらえないのか。

夫だって寒いだろうに。

自分も我慢してまで反対する理由があるはずだと考えた。

それで思い当たることは一つしかなかった。

多分、我が家の家計に不満を持っていたのだ。

夫が働けなくなった時、何も言わないけど申し訳なさそうにしていた。

本人だって気にしているのだから責めたら可哀そうだと思って私も何も言わなかった。

すぐにまた仕事をするだろうし、という気持ちもあった。

だが、そんな期待は見事に裏切られた。

体調が悪いと言いつつも、ずっと本格的な治療をしようとはせず無職の状態が続いた。

だから、子どもが幼児の頃からずっと私が家計を支えた。

とは言ってもキャリアウーマンでもない私の給料はたかが知れている。

家族三人が安心して暮せるほど多くは無い。

最初は共働きでスタートした家計を、一人の力では維持することができなくなった。

削れるところは削り、極限までコンパクトにした家計。

携帯も格安に変えた。

子どもはちょうどオムツを卒業した頃だったので、そこは助かった。

ご飯も味付けをする前に分ければ同じものを食べられるし。

夫自身が負担していた保険類は、さすがに払うことができなくて夫の貯金から払ってもらうことにした。

家賃と光熱費、携帯等の通信料、保育園、食費。

これだけでお給料のほとんどが消えた。

残りは雑費となり、突発的な出費はそこから賄うことになった。

非常にカツカツの生活だったので、夫にも嫌な思いをさせたのかもしれない。

だけど、私の力ではどうしようもなかったんだから、それを理由にこういう制限をされるのは本当に辛かった。

お風呂に入れないだけでなく、エアコンも自由に使えなかった。

私のお給料ではそんな贅沢はできないだろ、という夫の嫌がらせだったのだと思う。

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