2024年11月20日水曜日

帰ってこなければ良いのにな

夫の外出が息抜きの時間に

いつも家に居る夫が時々出かけると、もう心の中はお祭り騒ぎだった。

やったー!めいっぱい息抜きができる!

子どもも大喜びでいそいそと遊び道具を取り出した。

普段は隅っこの方で目立たないように過ごしている二人。

息をひそめるように生活をしていた。

でも、この時ばかりは自由に行動できたので、テンションも爆上がりしていてはたから見たら変な人たちだったと思う。

心が軽くなると自然と笑顔も出てくる。

夫の居ない生活はこんなにも快適なんだとジーンとした。

こんな素敵な時間が長く続けば良い。

どんなにそう願っていても終わりはやってくる。

段々と夫が戻る時間が近づいてきて、私たちの心はブルーになった。

夫の帰りを意識し始めたら、せっかくの自由時間を楽しむ余裕も無くなる。

あと何分かな。

帰ってきた時に機嫌はどうかな。

そんなことばかり考えてしまい、自然とため息が出てしまう。

それを見た子どももつられるように笑顔が無くなり・・・。

夫が帰る頃にはすっかりいつものモードに戻っていた。

私たちがこんなにも夫の居ない時間を待ち望んでいたことを本人は知らないだろう。

いつも自分は我が家の中で絶対的な存在で、敬われるのが当たり前だと考えていたのだから。

好かれていると思っていたかは分からないけど。

尊敬されていると信じて疑わなかったはずだ。

実際には夫の理想とはかけ離れた感情を抱いていて、一緒に居る時は心が牢屋に閉じ込められているようだった。


「帰ってこなければ良いのにな」

久々の二人時間を満喫している時。

本当に何も考えずに口から、

「帰って来なければ良いのにな」

という言葉が出てしまった。

本来子どもの前で言うべき言葉ではない。

それは十分に分かっている。

だけど、本当に何も意識せずただ独り言をつぶやくように出てしまったのだ。

それを聞いた子どもはハッとした表情を見せた。

そして、口元の前に指を立てて「シッ!」と言った。

この時、もちろん夫は近くには居ない。

ただ反射的に夫のことで何か言うのは危険だと反応してしまったのだと思う。

悲しいかな、私たちは常にそういう感じで夫のことを意識していた。

これが【そばに居て欲しい】とか【居なくて寂しいな】とかプラスの感情なら良かったのに。

私たちの場合は間違いなく恐怖の対象だった。

暴言や子どもへの虐待、物の破壊行為。

それらを考えたら少しくらいそう思ってもバチは当たらなそうにも思える。

でも、あの頃は『悪いことを言ってしまった』という気持ちになった。

夫に申し訳ないという罪悪感。

そこから『私が悪い』という考えに至り、もっと頑張らなければという結論になる。

どこからスタートしても結局はこのルートをたどることになり、いつの間にか私は自分を責めることが得意になっていた。


子どもは親を選べない

他のブログでも同じような感じのご家庭があって、思わず記事を読み漁った。

残念ながら最近は更新されていないようだが、参考になる部分もたくさんある。

家族構成がちょっと違ったり、子どもの性別が違ったり。

違う部分もたくさんある。

だが、夫の振る舞いがよく似ていて、無職なのも同じだった(笑)。

無職だからそういう人になるのかとも考えたが。

夫の場合は仕事をしている時からだった。

その方の旦那さんは体調が本当に悪いようで行動も制限があるようだった。

日々の生活の中で一人ではできないことがあると確かに大変だ。

しかし、離れることになったらそれはプラスに働くかもしれない。

うちは比較的自由に動ける(というか趣味関連なら他県にライブにも出かける)。

アグレッシブなモラハラほど怖いものはない。

離れたとしてもどこまでも追ってくる可能性もある。

だから、慎重に行動しなければとそればかり考えた。

地獄のような環境からなかなか抜け出せない状況が続くと苦しむのは子どもだ。

子どもは親を選べないから、他の幸せなご家庭と比較しては『可哀そう』だと嘆いた。

やっと抜け出せた後、すぐに幸せな気持ちになるかと思っていたけど。

しばらくは心が空っぽになって身動きが取れなくなった。

子どもは子どもで、普通の生活に近づくにつれて戸惑いが大きくなった。

苦しい生活から解放された後も、色んな困難がつきまとう。

それを実感してもなお、離れてからの日々を幸せに思う。

「子どもに会いたい」と言われても・・・

夫の要望 あの日、夫は「子どもに会いたい」と繰り返し言った。 これまでのことがあるから、どうしても穿った見方しかできなくて。 『分かった』と言えなかった。 自分が苦しい時だけ子どもに縋ろうとするなんて。 そんなの虫が良すぎる。 だけど徹底的に突き放すこともできなくて、 「ごめん」...