2024年11月24日日曜日

義父が入院した時のこと

眩暈から始まった体調不良

お義父さんは年の割に元気だ。

65歳を過ぎてもジョギングをしていたし、アグレッシブに活動していた。

重い物を持つのもへっちゃらで、未だに筋肉が浮き出るタイプ。

だから、体調を崩すなんてことは想像したことも無かった。

むしろお義母さんの方が少し弱い感じがしたのでそういう心配があった。

体格的にも小さく、力も弱い。

とは言っても、身長的には私と2~3cmしか変わらないんだけど。

歩き方も弱々しい。

だから、不安があるとしたらお義母さんの方だった。

ところがある日、いつも元気なお義父さんが急に体調を崩した。

最初に出たのは眩暈。

とにかく目が回って気持ちが悪くて動けないのだと言う。

トイレにも這って行くような状態で深刻そうに見えた。

だけど、本人が病院嫌いということもあって、しばらくは自宅で療養していた。

でもなかなか治らなくて・・・。

そうこうしているうちに状態が悪化。

見るに見かねたお義兄さんが近所の小さなクリニックに連れて行ったら

「うちでは脳のCTを撮れないから近くの○○病院に行ってください」

と言われた。

紹介状を書いてもらい、すぐにその病院に行き入院。

色んな検査をして、心配していた脳の方は問題が無さそうだということで退院となった。

とは言っても症状が治まったわけではない。

入院中は吐き気止めを点滴してもらっていたし、退院後も薬を飲んでいたのだが、眩暈の方がしばらくは取れなかった。

しかも、音や光に敏感になってテレビも見られず、ただじっと過ごしていたようだ。

いつも強気なお義父さんで対応が難しい部分もあったけど、この時ばかりは可哀そうになった。


先々が急に不安になった義家族

頑丈なお義父さんの体調不良に急に不安になったのはお義母さんやお義兄さんだった。

もちろん夫も不安だったと思うが、自分の状況的に力になれることは少ないと思っていたようで大人しかった。

私が仕事に行っている間に時々電話をしていたみたい。

子どもは保育園だし、静かな環境でじっくり話をできたはずだ。

お休みの日には私も様子を見に行った。

歳を取ってから片方の具合が悪くなったら不安で仕方が無くなる気持ちも分かるから。

これまでのように暮らしていけなくなるのではないか。

日常生活もままならなくなるのではないか。

そういった不安に押しつぶされそうだったと思う。

これが逆だったらそこまでではなかった。

お義母さんが具合が悪くて、面倒を見るのがお義父さんの方だったら。

多分、もっと前向きな療養生活になった。

顔を見に行った時、閉めきりの暗い部屋で横になっていたお義父さん。

身動きも取れず、ただじっと寝ているだけの姿を見たら胸が痛んだ。

あんなに元気な人がこんなにも急に弱ってしまうなんて。

夫は知らせを受けた衝撃で参ってしまったのかお見舞いには同行できず。

私からの報告をひたすら待っていた。

普段威張っているけど、こういう時に弱いんだよね。

それで、こんな時ばかり感謝される。

『俺が行けなかったから、お前が見に行ってくれて助かったよ』と。

でも、ここで感動なんかしてはいけない。

この瞬間、本当に感謝してくれているとしても、どうせまたすぐに戻ってしまうのだから。

実際に、1か月後くらいに段々とお義父さんが動けるようになってきたら、夫はまた横柄になった。

そして子どもや私を再び虐げ始めて、この1か月のことなど無かったかのように振舞った。

お義父さんが良くなったことは本当に良かった。

私も不安だったし。

だけど、夫のことはやっぱり信用できないと思った。

これじゃあ都合の良い家政婦じゃないか、と考えたら無性に虚しくなった。


「親父たちのことは任せた」と言われても・・・

お義兄さんたち夫婦は、義実家の近くに住んでいる。

入院騒ぎの時には色々と動いてくれて本当に助かった。

うちは車も持っていないし、子どもを連れて歩くのも大変だから。

すぐに行動してくれたことは本当にありがたいと思った。

この件をきっかけに『やる時はやるんだな』と見直しかけたのだが、すぐに考えを改めた。

二人は事態が収まった後、その後のことを私たちに丸投げしてこようとした。

確かに我が家も同じ県内だし、電車に乗れば一時間足らずで行ける場所にある。

何かあった時にはできる限りのことをしようとも思っていた。

でも、そんな気持ちも一瞬で萎えてしまうような発言があった。

「親父たちのことは任せた」

電話でそう言われた時には夫も固まっていた。

その時に私にも代わるように言われたみたいで、促されて電話に出てみるとお義兄さんから

「親父たちのことヨロシクね。俺らもしんどいんだわ」

と言われた。

ヨロシクってどういうこと?

何を任されたの?

困惑しながら夫の方を見ると苦笑いしていた。

元々お義兄さんは押しが強くて言い出したらきかないタイプだ。

この件も私たちが何か反論したって聞き入れるはずがない。

それが分かっているから夫も曖昧に済ませようとしたのだ。

何故今後のことを全て丸投げしようとしたのかと言うと、その答えは実にシンプルだった。

仕事とか家のことで忙しいから、と。

そうは言っても私だって忙しいんだけど・・・。

しかも夫が働いていないから家計的にも厳しいんだけど・・・。

内心はそう思っていても、この話をしたらまた夫がへそを曲げてしまう。

だから言いたいことも言えず、私も

「はぁ・・・、そうですか」

と答えるのが精いっぱいだった。

この件をきっかけにお義兄さんたちは我が家が全部やってくれるだろうと考えるようになり、義両親の私たちへの執着も更に強まった。

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