2024年11月14日木曜日

離れようとすると「死ぬ」と脅す夫

「死ぬ」と言われるのが怖い

何かあると、すぐに切れるくせに。

私たちのことなんてこれっぽっちも大事なんて思っていないくせに。

離れようとすると、すぐに「もう死ぬ!」と騒ぎ立てた。

どうせただの脅しだろうとは思うのだが。

実際に言われてしまうと気が気ではなかった。

万が一のことがあったらどうしよう。

何度言われても慣れなくてオロオロした。

そんな様子を見て『これは効果的だ』と夫は味をしめた。

そして、事あるごとに水戸黄門の印籠よろしく「死んでやる!」と脅してきた。

日々の生活の中でただでさえ気を使っているのに。

こんな風に言われると気持ちはどんどん追いつめられていった。

それでもこのままではいけないと奮い立ち、少しでも穏やかに過ごしたくてなるべく笑顔で過ごしていたのだが。

こちらが穏便に済ませようとしても夫が事を荒立てるので諍いは絶えなかった。

私からすれば、何でもないことを勝手に騒いでいるように見えた。

でも適当に流すこともできないので、いつも本気で向き合った。

家族なのに話し合いもできない私たち。

一緒に居るのに同じ方向を見てはいなくて、いつも孤独だった。

せめて子どものことは守ろうと必死だったな。

『私はきっと最後はこの人を見捨てるんだろう』

そんな気持ちになるたびに泣きそうになった。

上手く言えないけど、ほんの少しだけあった優しい時間まで失ってしまいそうな気がした。

夫は夫で私たちをつなぎとめるのに必死だったんだと思う。


押し寄せる罪悪感

夫と子どものことで意見の相違があった時。

私は丁寧に説明しようと試みた。

どうせ聞いてはくれないだろうけど。

話し合うことを放棄してしまったら何も変わらないから。

夫の言い分も認めつつ、『こういう考え方もあるよ』というのを示したつもりだった。

だが、案の定夫は怒り始め、

「お前の言い分なんか聞いてねーんだよ!」

と怒鳴り始めた。

いつもならそこで折れてしまうのだが、この時だけは折れることができなかった。

だって、子どもに教育と言いつつ虐待をしていることを止めて欲しくて話し合っていたのだから。

夫も私が折れるのを待っていたのだと思う。

恐らくこちらの出方を見つつ態度を変えていたはずだ。

しかし、思うようにいかなかったので、分からせるために暴れた。

怖かった。

恐怖で体が固まり、声を発することができなかった。

本当は逃げ出したかったけど、この件だけは譲れなくて粘った。

真正面から夫を見つめて、

「あれは教育じゃないと思う。虐待だよ」

と言った時の声は震えていた。

でも、相手はそう言われて改心するような人ではない。

更に荒れ狂って傍にあった家具を蹴り上げ、ソファーをなぎ倒した。

小さいソファだとは言っても、そう簡単に持ち上がるものではない。

それがあっという間に持ち上がり、おかしな角度で着地した。

ギリギリまで頑張ったけど、これ以上は危険かもしれない。

そう考えて立ち上がろうとした時、夫が急に自分の体を殴り始めた。

「分かってるよ!俺が全部悪いんだろ!」

そう言いながら夫は泣き叫んだ。

その言葉を聞いて私はなぜか猛烈な罪悪感に襲われた。

とにかく止めなければと焦っていた。


万が一のことがあったら罪悪感に耐えられない

もしも。

万が一夫がその言葉通りに命を絶ってしまったら。

私は一生罪悪感に苛まれながら生きていかなければならないだろう。

止めることはできなかったのか。

そう思わせてしまったのは私ではなかったか。

色んな後悔が押し寄せて耐えられないと思う。

きっと義両親も悲しんで私を責めるに違いない。

そうなったら明るい未来なんて見えない。

最悪の事態を防ぐために、私は全力を注いだ。

いつの日か、自然に夫が自分から離れようと思える日が来るまで。

それまで地道に説得しようと考えた。

時間的な猶予があればそれが一番の策だったのだと今でも思う。

だけど、私たちには時間が無かった。

夫の虐待はどんどん酷くなっていたから、リミットはもうすぐそこだった。

私への仕打ちも酷かったが、子どもさえ無事なら我慢できた。

極限まで追い詰められた私は大きな決断を迫られた。

いつ夫を見捨てて家を出て行くか。

もし出て行けば本当に自殺してしまうかもしれないけれど。

現状を維持しつつ状況が改善するのを待ちたいという希望は叶いそうも無い。

私たちが出て行く日のことを想像した時、やはり夫は泣くのだろうと思った。

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