2024年11月4日月曜日

モラハラ夫が抱える心の闇

心の拠り所にしていた女性の存在

悩みがあったら家族に真っ先に話して欲しかった。

でも最初に打ち明けるのはいつも友達だった。

夫の中で私はその程度の存在だったというわけだ。

話したってどうせ分かってもらえない。

でも、友達なら心の内を理解してもらえる。

そんな風に考えていたのではないかと思う。

分かり合えない理由が自分にあるなんてことは考えないんだよね。

いつも悪いのは私だから。

最初から決めつけて、俺の言うことに従わないから上手くいかないのだと怒る。

それで勝手に外に救いを求めて、『やっぱりお前なんかに相談しなくて良かったわ』となる。

馬鹿らしくてやってられない。

そう思っても寂しい気持ちにもなって『何のために家族で居るのだろうか』と疑問を感じた。

友達の中でも特に一目置いてる人物がいた。

その女性は常に夫の言うことを肯定し、寄り添っているように見えた。

だったら私たちのことを切り離せば良いのに、それもしない。

家族としては置いておくけど、大事な部分はその人と共有する。

それが夫の中での解決策だったようだ。

きっとそれを決めた夫の中では上手く行っていたんだと思う。

その女性も求められれば与えられた役割をこなすために頑張ってしまう。

そして私たちはいつも蚊帳の外。


「好きな人が居るのならその人の所に行って」

ずっと見てみぬふりをしてきた。

触れれば夫を激怒させてしまう。

本人は上手くバランスを取ってやっているつもりだから、批判なんてされたら黙っていないだろうことは明らかだった。

確かに表立った浮気もない。

恐らく二人は付き合ってもいない。

ただ深い深い部分で理解し合っているだけ。

でも、それってあまりにも失礼ではありませんか?

どうせ私といてもイライラするだけなんだから、この際その女性と上手くいくようにとっとと離婚すれば良いのにとさえ思った。

心の中で思っていても長い間口に出して伝えることはしなかったのだが、ある時

「好きな人が居るのなら、もうその人の所に行って」

と伝えた。

いつもは発言する前に頭の中で何度もシミュレーションして同じことを何度も考えて、ようやく言葉として発するような感じだ。

でも、その時は自分でも驚くほどスムーズに言葉が出た。

恐らく私の心からの願いだったのだと思う。

離婚したいけれど納得してもらえないから。

これを機にもう夫の方から切り捨てて欲しい。

そういう気持ちで言った。

そうしたら夫は顔を真っ赤にして怒り、

「お前、馬鹿じゃねーの?!」

と言って何度もため息をついた。

「俺にはやましいことなんて一つもない」

と自信たっぷりに言うのを見て、『そうなんだろうな』とも思った。

「そんな風に考えるお前が気持ち悪いわ」

となじられて、それ以上は何も言えなくなった。

夫が認めてさえくれれば離婚できると思ったけど。

やっぱり認めてもらえなかった。


夫の考えていることが分からない

十年以上も夫婦として過ごしたが、夫の考えていることがこれっぽっちも分からなかった。

私たちを虐げるわりには離れるのを嫌がる。

かといって大事にはしない。

精神的には他の人を頼りにしていて、心の中に私たちはいない。

それなのに、離れようとすると『死ぬ』という。

本当に訳が分からなくて、どのように理解すれば良いのかと途方に暮れた。

もうこれ以上は一緒に居られないと何度も思ったが『死ぬ』なんて言われたら見捨てることができない。

脅しだとは思うけど、万が一のことを考えると離れる決断ができなかった。

きっと何かあったら、ずっと後悔してしまうだろう。

その覚悟を持って決断しなければ。

そう思えば思うほど身動きが取れなくなった。

もしかしたら皆の将来を左右してしまうかもしれない重い重い選択。

夫の中での優先度が最下位の私でも執着だけはされていて、常にコントロールされているような状態で。

だから余計に息苦しくなったのだけど。

100%コントロールできている時の夫はどこか満足気だった。

常に自信たっぷりに自分が一番正しいように振舞う夫。

でも本当は自信が無くて見捨てられることを恐れていたのかもしれない。

当時はそこまで考えられず、理解に苦しんだ。

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