夫からの提案で2回目の話し合いをすることに
6月某日。私は翌週から職場復帰することになっていた。
子どもの送り迎えがあるから勤務時間は短くなるが。
やっと仕事を再開できることにホッとしていた。
それまでは夫の出方を窺がっていた。
でも、あまり動いている感じは無さそうなので仕事を再開することに決めた。
同じ頃、夫からの提案で2回目の話し合いをすることに。
1回目は義両親と私の3人で話した。
この時は子どもに会いたいと言う義両親の要望に応じた形だ。
2回目は夫が来ると言うのでかなり緊張していた。
顔を合わせるのはやっぱり怖い。
とても怖くて、数日前から胃が痛くなるほどだった。
だけど、ずっと逃げ回っている訳にもいかないと思った。
段取りに関しては全部夫がやって、その連絡を義両親がしてくるという感じだった。
私は指定された場所に行くだけ。
夫が来ることは明らかなのだから、今回は子どもを連れて行けない。
そのことを最初に伝えた。
そうしたら、夫はとても不満そうで、
「お前は一緒に居るから良いだろうけど、こっちはずっと会えてねーんだぞ!」
と怒鳴った。
怒鳴られただけで手に汗がじわーっと浮かんだ。
目の前に居なくても、声を聴くだけで物凄いストレスになるのだ。
電話口でまくし立てる夫の声を聞いていたら頭がぼんやりしてきて。
気づいたら過呼吸になりかけていた。
私は慌てて息を浅く吸って呼吸を整えた。
話すだけでも全身が震えてしまうのに、目の前に居る夫に自分の気持ちを伝えられるだろうか。
はっきり言って自信などなく、とても不安だった。
もしかしたら、離れたことで私のメンタルも急激に回復しているかも。
そんな甘い期待は、この電話で一気に吹き飛んだ。
激しい感情をむき出しにして不満をぶちまけてくる夫。
それに怯える私という構図は、以前と何ら変わってはいかなった。
まだ支配が続いていることを思い知らされた。
この人は私たちを逃がすつもりはないのだろうと感じた。
当日は休日出勤のフリをして出かけた
夫や義両親と会う約束をした日。
私は休日出勤のフリをして出かけた。
子どもには前の日に、
「しばらく休んでたからお仕事が溜まっちゃって。明日ちょっと行ってくるね」
と伝えた。
なぜ本当のことを言わなかったのか。
それは、前回義両親と会う時に子どもに泣かれたからだ。
その時は義両親だけで夫は来ないと伝えたのだが、不安からか号泣していた。
『パパは嘘をつくから来るに違いない』と。
そんな姿を見て、正直に伝えてしまったことを後悔した。
だから、仕事に行くフリをすることに決めた。
私だって気軽な感じで会いに行く訳ではない。
できることなら、そのまま会わずに離婚したかった。
だけど、そんなこと夫が納得するはずもなく。
最低限の話し合いはしなければならないだろうと考えていた。
当日は、携帯を見ながら待ち合わせ場所へと向かった。
余談だが私は酷い方向音痴でナビを見ながらでも迷ってしまう。
その時も、グーグル先生にお任せしてたのに何故だかちっともたどり着かなかった。
このままでは遅れてしまう・・・。
焦って義両親に連絡を入れようとしたら、向こうから掛かってきた。
私がすぐ近くまで来ていることを伝えると、そこからお義母さんがナビをしてくれた。
教えてもらいながら歩いたら、本当にすぐ傍だった。
お店に到着して入っていくと、またしても壁際の席に座っていた。
ただ、そこに夫は居なくて。
あれっ?トイレかな?
と思ったのだが、近寄って行った私にお義父さんが
「今日は(夫)は来ないから」
と告げた。
え~~~、じゃあ何のために来たのよ。
これには本当にガッカリしたが、心のどこかでホッとしていたことも事実だ。
顔を合わせなくて良いんだ。
それだけで一気に安堵してしまった。
ただ、夫が来ないのなら話し合いもできないから今日は早々に退散かな。
私は席に着くなり早くも帰りの時間を気にし始めたのだが・・・。
この日は私の想像をはるかに超える時間、滞在することになった。
もしかしたら、それが夫の策略だったのかもしれない。