2025年5月18日日曜日

話し合いの前日、子どもが居なくなった

夫から突然の電話

翌日が夫と話し合う日だった。

私は入念に準備をして備えた。

今度こそ何とか離婚の話を進めたい。

子どもを取り戻したい。

それだけを考えながら過ごしていた。

あの日は通常通り仕事をしていて、定時過ぎてそろそろ帰ろうとしていた時に突然携帯が鳴った。

確認すると夫だった。

最初は出るのをためらったが、何故だか出た方が良い気がして電話を取った。

声を聞いた瞬間に何だか嫌な予感が・・・。

出てみると夫はいつもよりも緊張している様子で、何かあったのだとすぐに分かった。

急いでロビーに移動した後、

「どうしたの?」

と聞いたら、

「(子ども)が帰って来ない」

と言われた。

間もなく7時になる頃だった。

「出かける時、どこに行くか聞いた?」

と質問しても夫は答えず、今度は電話の相手がお義父さんに変った。

そのお義父さんが何の説明もなく、いきなり

「(私)さんの所に来てないかな」

と言うものだから、

「来てるわけないじゃないですか!」

と声を荒げてしまった。

こんなに遠くまで一人で電車に乗って来るとでも言うのだろうか。

そもそも、子どもはどこに行くと伝えて出かけたのか。

私は一報を受けた瞬間からとてもモヤモヤしていて、質問してくる割には詳しいことを教えてくれない二人の態度に腹を立てていた。

子どもが居なくなったなんて大事じゃないの!

私は慌ててすぐに探さなければと思った。

夫や義両親も近場を探したのだろうと思っていたのだが、

「帰ってくるかもしれないから家で待ってるんだけど」

と言われ、更に怒りが・・・。

何故すぐに動かないのだろうかと憤ったが、ここで喧嘩していても意味が無いので、

「今からそちらに向かいます」

と伝えて電話を切った。

思い返してみると、一緒に居る頃も全て私がやっていた。

何か動かなければならないことが出てきた時には、『お前に任せた』という感じだったから。

離婚話が持ち上がっているこの状況でも、夫は変わらなかった。

会社を出た後、私は急いで電車に飛び乗った。


最寄り駅に到着する直前、『見つかった』と報告が

次に我が家に行くのは正式に離婚が決まった後だと思っていた。

それが、こんなタイミングで行くことになるなんて。

少し緊張していたし、予想外のタイミングで夫と顔を合わせるのも気が進まなかった。

だけど、子どものことが心配だったから。

何を言われても、子どもを探すことだけに集中しようと思いながら向かった。

電車に揺られていると、何故だか結婚したばかりの頃のことが思い出された。

まだ子どもも居ない頃、夫と二人でよく出かけた。

モラハラはされていたけれど幸せな時間もあり、ごく普通の家庭だった。

それがこんなことになるなんて。

人生って分からないものだね。

一人感慨にふけっていたら間もなく最寄り駅に到着するというアナウンスが流れた。

私は降りようと準備をしていたのだが、そのタイミングで夫から連絡が入った。

『見つかった』という一言だけ。

状況も分からなければ、居なくなった理由も分からない。

ちょうど最寄り駅に着いたので、ベンチに座って電話をかけた。

夫の話によると、子どもは駅に居たようだった。

まさかいないと思うけど、と軽い気持ちでのぞいたら券売機の周りをウロウロしていたらしい。

「どうして駅に行っていたの?」

と聞いたのだが、夫は

「電車に乗りたかったんだろ」

としか言わなかった。

せっかくここまで来たのに顔も見られないなんて。

せめて声だけでも聴かせて欲しいと夫にお願いしたが、

「余計なことを言われると困るから」

と断られてしまった。

夫はいつもそうだ。

困った時だけこちらに話を持って来て、解決したら用済み扱い。

こんな人と一緒に居る子どもが心配でしかたがなかった。

一度改札を出た後、少しだけ駅前を歩いた。

少し前までここに子どもが居たんだな・・・と思ったら胸が張り裂けそうだった。

電車に乗って帰ればまた子どもと離れ離れになる。

帰りの車内でどんどん遠くなっていく駅を見つめながら、不安で押しつぶされそうになった。

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