普段はしない連絡を頻繁に入れていたら・・・
いつもは自分から夫に連絡などしない。本当に必要な時にだけ『嫌だなあ』と思いながら何とか連絡している感じだった。
でも、7月の終わり頃からは頻繁にメッセージを送った。
子どものことが心配だったのだ。
小学校は夏休みに入っていた。
これまで長期休みの時には虐待が酷くなっていたので、心配で仕方がなかった。
送ったメッセージに対する返事は来たり来なかったり。
返事がなかなか来ない時には何かあったんじゃないかと不安になり電話をかけた。
そんな変化を夫は好意的に捉えたようだ。
私の気持ちに少し変化が出てきたのだと喜んでいた。
これは全くの誤解だった。
でも、そのままの方が都合が良かったのであえて訂正せずにやり取りを続けた。
もしかしたら、それが結果的に功を奏したのかもしれない。
夏休みに入ってから2回目の話し合いの時、やっと子どもと会う約束を取り付けることができた。
嬉しかった。
その予兆はあったのだが、変化を目の当たりにしても半信半疑だった。
夫はいつも期待させてから大どんでん返しをするから、あまり期待しないでいよう。
そんな風に自分を戒めた。
次の話し合いまでの日数を指折り数え過ごした8月の上旬。
暑い中子どもがどんな風に過ごしているのかな?と毎日想像しながら過ごした。
いつもと違って常にお義父さんやお義母さんがいるから。
夫と子どもが二人きりになることはない。
それだけは安心材料だった。
二人きりよりは遥かに良いだろうし、私が居る時と比較しても義両親の方がストッパーになるだろうと思った。
「こうやって、もっと連絡してよ」と言われても・・・
夫は連絡が来ることが嬉しそうだった。
「もっとこうやって連絡してよ」
と言われた。
これには戸惑ってしまい、
「なるべくそうする」
としか言えなかった。
気持ち的には夫となんて連絡を取り合いたくないのに。
できるだけ疎遠にして遠くに行きたかったのに。
それでは子どもを取り戻すことができないから。
取り戻すまではつながっていなければならなかった。
ただそれだけのことなのに、勘違いした夫は
「やっぱり夫婦は会話しなくちゃダメなんだよ」
と言っていた。
夫婦として終わっていることに本当に気づいていないのだろうか。
最初はそう思っていたが、とっくに気づいていたのだと思う。
気付かないフリをして引き留めようとしただけ。
だけど、どんなに言葉を交わしても反省したような素振りを見せられても心は動かなかった。
もう夫の言葉自体を受け付けなくなっていて、どこか冷めた気持ちで聞いている自分が居た。
そんな状況でも本心を言えなかったのは、やはり子どものことがあったからだ。
子どもを危険にさらすわけにはいかないと思い、機嫌を取った。
夫のパーソナリティ障害の気質が出て、怖い目に遭うのではないかという不安もあった。
事件になるようなことが起こらないとも限らない。
私だけでなく子どもや家族にまでその危害が及んだら?
万が一私に何かあったら誰が育てて行くの?
私はこれらの問題にずっと悩まされ続けた。
ああいう人達と一度つながりができてしまったら、逃げたくても逃げられない環境が出来上がってしまう。
身動きが取れなくて、不安な中で離婚交渉を進めた。