何気ないメモがこんな形で役立つ日が来るとは・・・
その日にあったことなどを、実はこっそり記録していた。といってもそんな大げさなものではなく、メモ程度のもので。
何かあった時だけ書いていた。
あまり意味が無いかな?と思ったりもしたんだけど・・・。
何かしなければという気持ちから続けていた。
まさかそのメモが、こんな形で役に立つ日が来るなんて。
バラバラに記録されていたものをまずはまとめ、時系列で並べ直すことにした。
メモを読み返してみると自分の置かれていた状況をよく理解できた。
夫がどれほど酷いことをしてきたのか。
自分勝手な都合を押し付けていたのか。
全部分かった。
やはり離婚を選択したことは間違ってはいなかった。
そう思うのと同時に、当時の光景が浮かんできて恐怖も感じた。
大分前のことでもはっきりと思い出せてしまうのは、それだけ強烈な印象を残した出来事だったからかもしれない。
記録を読み返すことで、そういった記憶が掘り起こされることが怖かった。
でも、逃げていても何も始まらない。
私はその頃の記憶と向き合うように一つ一つのメモを丁寧に記した。
まとめた物を弁護士さんに送信。
夫が条件を変えて来ないので、水面下でしか協力してもらえないのだけれど・・・。
数時間後、弁護士さんから連絡があった。
やはりそのメモが交渉の時に使えるらしく、次回までにもう少し手を入れて効果的なものにすることになった。
虐待やモラハラの証拠も残しておければ良かったんだけど。
夫に壊された学用品やコップなどは全部捨ててしまった。
写真を撮ったこともあったが、気づかれて消去させられた。
そういうものがあれば、もっと私たちのペースで進めることができたと思う。
その後も記録として残した物を色々チェックしていて、一枚の画像が見つかった。
すっかり忘れていたのだけれど、子どもが虐待された時のものだった。
不鮮明で、少し暗めの色味で。
こんな物、役に立たないかもしれない。
だけど、少しでも可能性があるならと思い、そちらも弁護士さんに送った。
夫のような人は議論になると負けない自信があるようで、とてもじゃないが太刀打ちできない。
だけど、反論できない証拠があれば別だ。
その画像を証拠として出すことができれば一気に形勢逆転できるのではないかと、久々に気分が高揚した。
焦り・後悔、そして暴走
その頃の私は常に焦っていた。
早く何とかしなければ。
子どもを取り戻さなければ。
眠っている時以外はずっとそんなことを考えていた。
寝ている時でも夢に見るほどで、それくらい切羽詰まっていた。
焦り過ぎて日常生活にまで気が回らず、数々の失敗をやらかした。
例えば溶き卵を作ろうとお皿を用意したのにフライパンに割り入れてしまったり。
洗濯機のボタンを押したつもりが押されてなくて延々と待っていたこともあった。
居ても立っても居られず、連日のように部屋を見に行ったり。
夫に子どもの様子を教えてもらうために連絡を入れたことも。
それで返事がなければ夫の友人Nにもメッセージを送った。
とにかく何かしなければと思っていて、全てが空回りしている感じだった。
そんな私に活を入れてくれたのは先輩だった。
「(子ども)ちゃんのことはきっと大丈夫だから。
もっと冷静に上手く立ち回らなくちゃだめだよ」
と声を掛けてくれた。
忙しなく過ごすことで気持ちを落ち着かせていたというのもあると思う。
あんな夫に子どもを連れて行かれるなんて。
そんな事態になることなど想像もしていなかったから。
想定外の事態に慌て過ぎてしまった。
ただ、モラハラの記録を書きおこすのもそれが原動力になっていて。
『うぉ~!!!』と物凄い勢いで書き上げた。
この行動が幸せな未来につながっていれば良いな。
その一心で書いた。