2025年5月27日火曜日

財産分与を拒否する夫が「親権を譲る」と言い始めて

財産を分けたくない夫

結婚後に貯まった分を半分ずつにする。

ごく普通の提案だと思うのだが。

夫は何やかやと理由をつけて拒んだ。

実は、私の方はこれを期待していた。

むしろ『スムーズにこの条件をのまれてしまったらどうしよう・・・』というのが不安だった。

ある意味予想通り夫がゴネてくれたので助かった。

それにしても、一体どれほど貯め込んでいたのだろうか。

共働き時代にほぼ折半というのが腑に落ちなかった。

おかしいと思っても言える環境では無かったのだけれど。

私の何倍ももらっていた夫は、家計費に関して同じくらいの負担を要求した。

そうするとこちらは自由になるお金があまりない。

「残った分で、それぞれ貯金していこう」

と言われたって、なかなか貯められなかった。

夫が無職になった時、そのお金を少しでも出してくれればまだ納得できたのに。

ずっと私一人で家計をまかなってきた。

同じくらいの負担だから家事も折半に…ということも無い。

「俺は料理もできないし、掃除も得意じゃない」

といけしゃーしゃーと言っていた。

家事をほぼ100%私がやり、家計費も折半。

全然フェアじゃないよね。

夫が無職になってからは更に悪化し、全ての家計費を負担して家事も全部やった。

『甘やかしすぎたんだよ』という人も居るけど。

私に拒否権は無かったのだ。

そうやって貯めてきたお金を『さあ、出せ』と言われたって出すはずがない。

この話に入った後、夫は段々とイライラし始めた。

よほど出したくなかったんだと思う。

これで準備は整った。

ゴネる夫を前に、私は思い切って

「条件次第では調査をせず、お金も要求しない」

と告げた。

その瞬間の夫の嬉しそうな顔を今でも忘れられない。

平静を装っていたが、明らかに表情が緩んでいた。


子どもよりも財産が大事?

私が出した条件は、

「財産分与を一切求めない代わりに親権が欲しい」

というものだった。

恐らくこの時、夫は頭の中で財産と親権を天秤にかけていたに違いない。

そして、財産を選んだ。

「分かった。親権は譲るよ」

と言われた時、私は心の中でガッツポーズした。

欲張りな夫は本当はどちらも手に入れようとしたのだと思う。

子どもを虐める割には執着していたし、義両親のこともあるから。

だけど、調査をされるとマズイと思ったのか。

あっさりと親権を譲ってくれた。

実はお金の話が出始めた時に、『あなたの財産のだいたいの額は把握しているよ』という匂わせをした。

本当は全く知らないんだけどね。

「あんなに持ってるなら少し助けてもらえば良かった」

と言っただけ。

そうしたら、既に情報が握られていると勘違いしたのか夫が慌て始めた。

ただ、夫はずるいから、その場では譲って後で取り戻そうとすることも分かっていた。

手を緩めずに一気に決めてしまわなければと思い、

「今日このまま(子ども)を引き取らせて」

とお願いした。

後々になったら、また何だかんだ言って反故にされるかもしれない。

相手が表面上だけでも納得している間に方を付けようと思った。

その日のうちに引き渡すなんて想像もしていなかったのだろう。

最初は難色を示し、

「子どもの衣類や学用品のこともあるから急には無理」

と言われたのだけれど。

「今日、一緒に帰って必要な物を受け取ります」

と伝えて渋々だが了承させた。

その日に決まったことは書面にし、正式な文書として残すことにした。

荷物の引き取りはNにも同行してもらい、身の安全を確保することも忘れなかった。

家に行った途端、『やっぱり無理』と気が変わったらたまったもんじゃない。

夫は譲歩するということを知らない人だ。

全てを思い通りにしなければ気が済まない。

だから私も慎重に慎重に、一つずつ事を進めた。

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