2025年7月22日火曜日

「筋を通せ!」と言われても怯まなかった

「お前の要求ばかり聞く義理はない」と言う夫

考えてみたら、おかしな話だ。

あの日、夫は私に向かって

「離婚したいのなら、それなりの誠意を示せ」

と言い、

「そっちが離婚の要求を無理やり押し通そうとするのなら、こっちだって譲歩できない」

と強い口調で決断を迫った。

この時、恥ずかしながら何に対して決断を迫られているのか分からず、言葉に詰まった。

そうしたら、Nがまたしても助け舟を出してくれて

「それって離婚をのんで欲しいのなら、一度家に戻って来いってことだよね」

と説明してくれた。

いやはや。

まさかこんな要求を突き付けてくるとは。

呆れるやら困惑するやらで言葉が無かった。

「でもそれって真逆のことだし、現実的じゃないよ」

と抵抗したものの、

「要求を受け入れて欲しいのなら筋を通せ!」

と怒鳴られた。

こうなると絶対にこちらの要望を聞き入れることはない。

だけど、私だって夫の言う通りにはできないから。

この話し合いは何も決まらないのだろうな、と思った。

それに、きっと一度家に戻ったら二度と出ることはできない。

それが分かっているのに、夫の言う通りになどできるはずがなかった。

夫は夫で、この場を上手く乗り切れば復縁できると考えていたようで、

「とにかく一度家に戻れ。話はそれからだ」

と言った。

強引に戻そうという魂胆がみえみえで本当にうんざりした。

何を企んでいるのかが手に取るように分かるのに、夫はまだ上手く騙せると勘違いしていた。

『もう無理なんだよ』と心の中でつぶやき、まるでその場を傍観するように眺めていた私。

一度真実が見えてしまうと、こういう夫の強引なやり方も冷静に見ることができる。

これまでは夫が正しいと思っていたことも違っていたのだと実感した。

こんな不毛な話し合いをしていても無駄だから、この時は私の方から

「戻るつもりはないのに、そういう条件を出されても意味が無いよ」

と一蹴した。

怯えながらでも、こうやって気持ちを言えるようになっていた。

それが、ちゃんと進歩できているんだと自信につながった。


反撃開始

筋を通せと言うのなら、夫だってちゃんとして欲しいと思った。

例えば仕事をしているのに生活費を負担してくれないことも、その一つだった。

以前、まだ家を出たばかりの頃は無職だったので、婚費の請求をされそうになった。

「こっちにはその権利がある」

と言われたのだが、家賃も光熱費も払っていたので、もう余力は無いことを伝えた。

「どうしても払って欲しいのなら部屋を解約するしかない」

と伝えたら、ようやく大人しくなった。

夫は、部屋を引き払ったら自分は義実家に戻るしか選択肢が無く、本格的な別居になってしまうと考えたようだ。

そうでなくても客観的に見れば別居なのに。

謎のこだわりがあった。

その日は夫が既に安定した収入を確保していて、要求できる状況にあった。

というか収入は既に私よりもかなり多くて、折半でも譲歩しているくらいだった。

それをなあなあな状態で払い続けていた私。

交渉しなければと思っていたので、ちょうど良い機会だった。

「まだ家族なのだから、生活費を折半したい」

と要求し、

「収入差を考慮すると(夫)の方が多く負担することになるけど折半で良いよ」

と伝えた。

その少し前に義両親が家賃の半分を負担してくれていたが。

夫に内緒で払ってくれていたので、知られてしまい激怒された。

結局、受け取った額を返済することになった。

今度は私が要求する番だ。

『折半で良いよ』という私の言い方が気に入らなかったのか、夫は独り言のように

「何だ、その言い方」

と文句を言いながら、ポケットから携帯を取り出した。

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