2025年7月15日火曜日

いつか夫に見つかるのでは、という恐怖

夫から脅されて家を飛び出した

ここに居てはいけない。

私は急いで家を出た。

幸い先輩とは連絡がついていたので、どこかで合流しようと思った。

本当は居場所なんて知らないのかもしれない。

ただの脅しかもしれない。

でも、その場に留まることは考えられなかった。

万が一本当に来てしまったら大変なことになる。

それを想像しただけで恐ろしくて体が震えた。

普段は体力が無くて駅までの道のりも結構時間がかかるのに。

その日はあっという間に到着した。

見えない怪物に追われているかのように走り続け、息が切れても辛く無かった。

それよりも、足を止めたらつかまりそうな気がして夢中だった。

途中でバッタリ夫と出くわしてしまうことも考えたけれど。

その場合は全力で逃げようと思った。

人がたくさん居る所なら少しは安心できる。

なるべく人通りの多い場所を選んで駅へと向かった。

到着後はすぐに先輩に電話。

待ち合わせ場所はその時に決めた。

家で相談している余裕なんて無かった。

待ち合わせ場所を決めたら電車に飛び乗り、数駅先まで移動して約束した建物に入った。

そこで二人が来るのを待っている間に考えていた。

もし本当に居場所を知っているのなら、一体どうやって突き止めたのだろうか。

平日は自分だって働いているから暇ではないはずだ。

だとしたら探偵でも雇った?

ただ、夫は無駄を嫌うので、そんなことのためにお金を使うだろうかという疑問も残った。

いずれにせよ、あの勢いのままこちらに向かって来たら私たちの身に危険が及ぶことは確かなのだから。

危険を回避するために逃げるしかなかった。

ほんの少し前まで穏やかに過ごしていた時間が嘘のように、私はとても緊張していた。


合流後はカフェで事情を説明

合流した時、二人は私の顔を見て

「ママ、険しい顔してるね」

「本当だ。眉間にシワが寄ってるよ」

と口々に言った。

そのくらい難しい顔をしていたのだろう。

私たちはすぐに近くのカフェに入り、壁際の席に座った。

オーダーを済ませた後、事情を説明していたら先輩から

「ご両親に相談するというていで釘を刺しておいた方が良いんじゃないの?」

と助言され、確かにその方が安全かもしれないと思い、早速電話した。

お義父さんは、大抵夫と一緒に居る。

時々はお義母さんも居るのだが、お義父さんの方が多少は夫を制御できていた。

この時は、脅されたことと危害を加えられそうで恐怖を感じていることを簡潔に伝えた。

『下手なことをしたら、(夫)さんは一生を棒に振りますよ』という忠告もした。

それを聞いた瞬間、お義父さんは

「大げさだな」

と笑ったが、私は真剣に笑いごとではないことを伝えた。

虐待、暴力全般に関してそうなのだが、とにかく受け止め方が軽いのだ。

私たちが90で受け取っているものを、夫を含めた義実家の面々は10程度で受け取る。

悩んで打ち明けても、それの何が問題なの?という感じだったので、根本的に考え方が違うのは分かっていた。

そういう鈍感な部分が夫の言動を助長している気もしたので、

「(夫)さんやお義父さんが問題とは思っていないようなことでも、実際は大きな問題だったりするんですよ」

と言ってみたら、

「そっちが神経質なんだろ」

とまるで私が小さなことを騒ぎ過ぎているかのように言われた。

話にならない。

でも、それがあの家の基準なんだから仕方ないか。

この反応にはとてもがっかりしたが、それでも言って良かったのだと思う。

「(夫)さんを止められるのはお義父さんだけですよ」

と伝え、『止められなかったらお義父さんの責任だよ』というのを匂わせることができた。

お義父さんは正義感が強いと自負していて、自分の責任になるようなことを嫌がる。

だから、夫を説得してくれるだろうと期待した。

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