子どもが『習い事をしたい』と言い始め・・・
通っていた保育園では子供たちはみんな伸び伸びと過ごしていた。習い事をしている子も少数だったし、お勉強の話題も無かった。
それが小学校に入ると急にまわりの様子が変わった。
放課後だって遊んでばかりではない。
塾に通っている子がいたり習い事を始める子がいたり。
これまでのノンビリとした雰囲気とは明らかに違っていた。
まあ、子どもも大きくなるにつれて色んな環境の変化があるからね。
そこはあまり気にしていなかったのだが、本人はかなり影響を受けたようだった。
仲の良いお友だちが入学早々習い事を始めるというのを聞き、うちの子も
「一緒に行きたい!」
と言い出した。
行きたいと言われても、その習い事は高額だ。
とてもじゃないが毎月払える額ではない。
本人がやってみたいと言うのだから余裕があればやらせてあげたかったけど・・・。
余裕は無いし、夫の承諾も得られそうになかった。
こういう時、夫は損得で考える。
学習塾ではないから将来的に役に立つ可能性は低い、と。
そういう考えだから、たとえ私がOKを出しても行くことはできなかっただろう。
子どももそれを分かっているからパパにはこの件を話さなかった。
ところが、私たちの会話を聞いていたのか伝えてもいないのに、
「そんな暇があるなら勉強しろ!」
と急に怒鳴ってきた。
子どもの提案を却下するにしても、怒鳴る必要はないのよ。
なぜダメなのかを説明するだけで良いのに、夫は自分の意にそぐわない話をされるとすぐにキレた。
可哀そうだけど、この件はこれでお終い。
そう思っていたんだけど、義両親が我が家にやってきた時に再びその話題が蒸し返されることになった。
「援助しようか?」という義両親
子どもが習い事をしたがっていることを聞いた義両親。
気軽な感じで、
「うちが援助しようか?」
と言ってきた。
その申し出は大変ありがたかった。
でも、そんな迷惑をかけるわけにはいかない。
それで、すぐに断ろうとしたのだが、子どもは『もしかしたら行けるかもしれない』と期待してしまった。
一度始めたら毎月毎月お金がかかる。
途中で事情が変わって払えなくなる可能性もある。
だけど、払えないからと止めさせる方がよほど可哀そうなのではないだろうか。
そんな不安を伝えてみたら、義両親に、
「うちはその位の援助しても生活に影響が出るってことはないから」
と言われた。
余裕があるから大丈夫なのだと言う。
うーん、困った。
私が不甲斐ないばかりに子どもに我慢をさせてしまうことは本当に辛い。
でも、ここで義両親に甘えて出してもらうのもなぁ。
色んな可能性を考慮しつつ考えあぐねていると、急に夫が口を挟んできた。
「そんなことに金なんて出さなくていい!」
となぜか最初から怒っていて、義両親に対してもまるで脅すような口調だった。
私に対しては、
「うちの親に迷惑をかけるなっていつも言ってるだろ!」
と怒鳴った。
この人は我が家のことに関して義両親がお金を出すことに物凄く嫌悪感を抱く。
でも、これまでに一度も『助けてください』なんてこちらから言ったことはなくて。
いつも義両親の方から『少し助けてあげようか』と言ってくれる。
その言われた側の私を責めるんだからおかしな話だ。
私だって負担をかけるのは申し訳ないと思って毎回断っている。
それなのに、義両親にそう言わせたというだけで怒るんだからやってられない。
最終的にはこの話は流れた。
一部始終を見ていた子どもが、
「これから一生習い事はしない」
と宣言したのだ。
どんな気持ちでこの言葉を発したのかと思うと胸が痛んだ。