2025年4月29日火曜日

『居場所を教えろ』と激しい催促

夫や義両親からの催促が激しくて

夫からも義両親からも言われていた。

『今いる場所を教えろ』と。

私の懐事情をよく知る彼らはずっと怪しんでいたようだ。

ホテル住まいが続くわけがない、と。

確かにホテル住まいは厳しいな、と初日から思っていた。

だから、あの日も泊まる所を探して右往左往した。

先輩に会わなければ早々に家に帰ることになっていた可能性もある。

そうならなかったのは、数年ぶりに先輩に会えたからだ。

それからずっとお世話になった先輩には感謝してもし切れない。

そんな恩人に対し、恩を仇で返すようなことはできなかった。

居場所を教えたら押しかけてくるに決まってる。

そうなれば嫌な思いをさせてしまうだろう。

だから絶対に阻止しなければ、と思った。

それ以外にも、新たな行き先を確保するのが難しいという問題もあった。

子どもだって遠くて大変だけど学校に通えていたから。

最低限のことはクリアできていたのだ。

私の仕事以外は。

本当は学校用品を家から持ち出したかった。

でもできなかった。

だからとりあえず使う物を揃えて、あとは学校で借りたりした。

夫は多分、私たちが実家や姉の所でお世話になっていると思い込んでいたのだと思う。

だからわざわざ姉家を訪問して確認したんだろうけど。

当てが外れてほんの少し慌てたんだと想像した。

全て自分が把握できていると高をくくっていたのに突き止められなかったから。

ある意味、探偵でも雇わなければ見つからない居場所ということで最強だったのかもしれない。

何度聞かれても私が口を割らず、知る手段も無くて。

夫も義両親もかなり焦っているようだった。

段々と催促が激しくなり、物凄いストレスになった。


『家族会議を開きたい』と夫からの提案

一向に私たちが帰る気配も無く。

ともすれば連絡も途絶えそうな状況に夫が動いた。

ずっと静観している様子だったのに、急に、

「こうなったら皆で話し合おう。家族会議で言いたいことを言い合おう」

と連絡が来た。

電話だと出ないからメッセージを送ってきたのだが。

相変わらず有無を言わせぬ雰囲気を醸し出していた。

反対意見を言おうものなら、『じゃあお前はどうしたいんだ』と詰め寄られそうに感じた。

だけど、『離婚したいんです』と正直に伝えたら、きっと『お前は間違ってる』と言われる。

そういう人なのだ。

私たち夫婦の力関係は明確で、いつも夫が強かった。

こんな状況に陥っても夫が上から目線で強気に出てくるから。

いつの間にか私は言うことを聞きそうになってハッと我に返った。

自由になったことも一瞬忘れてしまうくらい、夫のコントロールが凄かったということだ。

家族会議を提案されて正直なところ『どうしよう』と迷う気持ちもあった。

いつかは直接対決しなければ、きちんと伝えられない。

分かってもらえるまで話し合わなければ、という思いがあったから。

弁護士を立てて全部任せてしまうという手もあるけど。

それだと夫が納得しないことは明らかだった。

それで全て片付けられるような相手ではない。

変に恨みを買ってしまっても、それこそ大変なことになる。

できるだけ穏便に済ませたいというのが常に根底にあって・・・。

夫の心に歩み寄りつつ離婚も進展させたいというのが本音だった。

虫の良い話かもしれないが、ああいう人との交渉はとても難しいのだ。

恨まれたらずっと怯えながら暮らさなければならないなんて。

そんな人生は嫌。

そう思っても『家族会議』はやはり気が重かった。

だから、すぐには返事が出来ずにいた。

迷っている間もメッセージはどんどん来る。

私は段々と冷静さを失っていった。

義両親からの思いがけない提案

夫のプレッシャーがきつい 収支を把握した夫は、協力するどころかプレッシャーを強めてきた。 「支払いを遅れるんじゃねーぞ」 という脅しと共に、問題はないのかをしつこく確認してくるようになった。 そんなに心配なら少しは解決策を考えてくれれば良いのに。 『全ての責任はお前にある』という...