2025年4月15日火曜日

弁護士への依頼は断念

『交渉をプロに任せる』という選択

離婚するためには夫と話し合いをしなければならない。

でも、直接会って話すことに恐怖を感じていた。

夫は家を出て戻らなくなった妻を寛大な心で許せるような人ではない。

自分がヤキモキしたりイライラしたら絶対にその気持ちをぶつけてくるはずだ。

そうなったら落ち着いて対応できるか自信が無かった。

そこで一つの案として浮上したのが弁護士への依頼だった。

これは先輩にも『依頼した方が良い』と言われた。

確かに全て任せてしまえば直接対決せずに済む。

そうなれば気持ち的には大分楽だった。

ただね・・・。

やはり費用の問題は無視できない。

お金の心配をしつつ、払えるか払えないか分からない状態で弁護士に相談するなんて。

それこそ、今後の自分の首を絞めることになるのではないか。

しばらくは通帳とにらめっこしながらどうすべきかを考えていた。

その間、子どもは学校にも行けず先輩の家でテレビを見たり本を読んだり。

平日の日中にふらりと本屋さんに行ったんだけど。

こういう時間に子どもがウロウロしているとやはり目立つのよね。

じろじろ見られたり、店員さんに話しかけられたりした。

悪いことをしている訳では無いんだけど、何となく人目が気になって・・・。

必要なものを購入した後は早々に退散した。

こんな所に気の小ささが出てしまうんだろうな。

堂々としていれば良いのに、周りからどう見られているのかを気にしてしまう。

色々と気になることはあったけれど、本などの時間を潰せるものは手に入れることができた。

それにしても子どもってすぐに順応できるんだな、と感心した。

普通なら落ち着かない状況なのに。

子どもは案外落ち着いていて、うっすらと楽しんでいる気配さえ見せた。

その姿を見て、『凄いな~』と思いつつ自分もしっかりしなければと気を引締めた。


直接話し合うことを決意

結論から言うと、弁護士への依頼は断念した。

やはり費用の問題があった。

それに、このまま別の場所を借りて別居してしまえば数年後にはどのみち離婚できると踏んでいた。

別居期間が長引けば長引くほど離婚しやすくなることを知った時には心の底から安堵した。

それならば、わざわざ高額な費用を掛けなくても良いんじゃないかと思った。

ただし、話し合うためにはそれなりの準備が必要になる。

条件などもまとめなければ。

仕事を休んでいるとは言ってもやるべきことは沢山あった。

あっという間に時間は過ぎて行った。

あの状況の中で通帳や印鑑関連を全て持ち出せたのは幸いだった。

それがあるのとないのとでは大きな違いがある。

『いつか家を出た時のために』と貯めたへそくりも持ち出せた。

大丈夫。

しばらくは何とかなる。

毎日お金の計算ばかりして疲れてはいたけれど、そのたびに『大丈夫』だと思えた。

絶対に上手くいくという確信を深め始めた頃、夫の方では新たな動きがあった。

何日経っても帰ってこないことに痺れを切らして、あちらこちらに相談し始めたのである。

それまでは貝のように口を閉ざして何事も無かったかのように振舞っていたのに。

たった数日で取り乱したように色々なことを始めた。

まず最初に始めたのが近しい人への相談だった。

と言ってもうちの姉や両親には何も言ってこなかった。

多分、突っ込まれたら大変だと思ったのだろう。

そういう所に抜かりが無いのが夫らしいと言えば夫らしい。

言ってもボロが出ない相手ということで、選ばれたのは友人達だった。

ほとんどの人とは私も面識があり、何度も会ったことのある人も居る。

相談したら友人達は大慌て。

『早く話し合った方が良い!』と口々に言った。

その声に背中を押されるようにコンタクトを取ってきたのだが。

私の方はまだ話し合うための準備が出来ていなかったので電話にも出なかった。

そうしたら夫を不憫に思った友人達が、

「電話にも出ないなんて!ひど過ぎる!」

と騒ぎ始めた。

家を出て2~3日程度は比較的平穏だったが、わかに騒がしくなってきた。

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