2025年4月10日木曜日

先輩と語り明かした夜

子どもが寝た後に詳しい事情を説明

先輩に案内されて着いたのは立派なマンションだった。

毎月のやり繰りに頭を悩ませている私からしたら夢のような暮らしだ。

「すごいお家ですね」

と驚く私の横では子どもが緊張していた(笑)

ロビーに入ってもずっともじもじしていたのだが、

「(子ども)ちゃん、行こう」

と先輩が手を引いてくれた。

部屋に入り、まずはリビングに案内された。

よくドラマで見るような素敵なお部屋。

物が散乱しているなんていう事も無く、綺麗に整頓されていた。

こんな綺麗な部屋のどこに荷物を置かせてもらおうかな、と迷っていた時に、

「とりあえず、こっちの部屋自由に使って」

と案内されたのが、これまた素敵な洋室だった。

普段は使っていないらしく、時々物が増えてきた時の保管場所にしていると言っていた。

荷物を置き、上着をかけさせてもらった後はお風呂をいただいた。

家を出る時、もみくちゃになりながらも用意しておいたバッグだけは何とか持ち出せた。

だから、着替えとか下着などは入っていた。

もし用意できていなかったら新たに買うことになって更に軍資金が心許ない状態になっていたことだろう。

やはり、水面下で動いておいて正解だった。

お風呂上がりに歯磨きセットが無いことに気づいたのだが。

これは全く問題無かった。

コンビニがすぐ傍にあったので買いに出た。

そこで飲み物やちょっとしたおつまみも購入して帰宅。

お世話になるのにそんな物じゃ返せないと思いつつも会計を済ませていたら、

「私が払うのに~。気を使わせちゃってごめん」

と謝られてしまった。

「こちらこそ、急に押しかけてしまって本当にすいません。

 本来なら宿泊費をお支払いしたいくらいです」

と言ったら、

「何言ってんのよ。馬鹿ねぇ」

と笑われた。

夫のそれとは違い、先輩の『馬鹿』はとても優しかった。

『私、結構傷ついてたんだな』とその時思った。

家に着いて子どもは歯磨きを済ませたらすぐに寝てしまった。

寝かしつけた後にリビングに戻って先輩に詳しい事情を説明することになった。


お酒を飲みながら今までのことを話した

先輩はビール、私は缶チューハイを飲みながらこれまでのことを話した。

ハッキリ言って私はお酒が弱い。

アルコール度数3%の缶チューハイ一本で酔ってしまう。

それ以上の度数になると眠気に襲われたり目がグルグル回ってしまうので、その日は缶チューハイ1本だけにした。

それでも十分に酔っぱらった私は、いつもよりも饒舌になった。

話した内容は詳細に覚えている。

子どもが虐待をされていること。

結婚してから私もずっとモラハラを受けていること。

家のルールや、夫の機嫌に振り回される生活。

全部話した。

話している最中にふと携帯に触れたのだが、その時私が怯えたような顔をしていたらしく、

「可哀そうに。よっぽど怖いんだね」

と言われた。

「大丈夫だよ。うちの事は知らないんだから」

という先輩の言葉が私を安心させた。

ここに居る間は安心していて良いんだ。

そう思うだけで急に気持ちが楽になったのを覚えている。

子どもの虐待の証拠は残っていないのかとも聞かれた。

だが、残念ながら持っていなかった。

以前携帯で撮ったものは消されてしまった。

破壊されたものを取っておこうとしたら、勘づかれてしまいゴミの日に廃棄された。

私がこっそり何か動こうとしても相手の方がいつも上手だった。

連絡できるような人もほとんど居ない中で、安全面への懸念から両親に頼ることもできない。

だから、誰にも知らせずに家を出ようと思ったのだと伝えた。

話し込んでしまい、気づいたら朝になっていた。

先輩はそのまま仕事に行ったので眠かっただろうな。

本当に申し訳ないことをしてしまった。

私は早朝から少しだけ寝て、子どもが起きてきた8時ごろ朝食をとった。

久々に『生きてる』と感じた朝だった。

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