2026年7月2日木曜日

「何が食べたい?」その一言が苦しかった

 勝手に決められていく夕食

「何が食べたい?」

一緒に夕食を食べることが当然のように、

話は勝手に進んでいく。


「なんでも好きなものを選んで良いのよ」

と、お義母さんは言った。


拒否する権利なんてない。

そんな空気だった。


子どもの返事を待つ時間さえ、

耐えがたかった。


その間、私は回避する方法を

必死で考え続けたが、

良い案は浮かばない。


そうこうしているうちに、

夫は携帯で何やら調べ始める。


画面を子どもに見せて、


「ここなんか、どうだ」


と聞く。


その口調はまるで、

もう決まっていることを伝えるようだった。


夫がお店を探しているのだと、

その時ようやく気づいた。


帰りたい子どもは、

携帯を見せられても、

ただ困ったように見つめるばかり。


もちろん、

食べたいものはあるだろう。


だけど、それは


『パパと一緒に』ではない。

『パパの居ない所に行きたい』

『パパが居ないお店で食べたい』


それが、

子どもの本心だった。


だけど、

そんな思いは夫には届かない。


子どもは自分と過ごしたいはず。

一緒に居ることが幸せなはず。


そんな思い込みに、

どっぷりと支配されていた。


ストレスは、もう限界だった

話をしている最中、

また子どもがお腹を押さえ始めた。


辛そうな表情になり、

足早にトイレへ向かう。


やはり、

ストレスは胃腸にも大きく影響するのだろう。


これ以上は無理だ。

そう思い、

私はその場を切り上げることにした。


気持ちとしては、


「帰らせていただきます!」


というくらいの勢いだった。


だけど、

実際にはそんな勇気もなく、


「悪いんだけど、

(子ども)も体調が悪そうだから。

そろそろ帰るわ」


と、恐る恐る告げた。


この時、

周りには大勢の人が居た。


楽しそうな声が飛び交い、

たくさんの人が行き交っている。


その人目を気にしたのかもしれない。


「それじゃあ、仕方ないな」


夫は、

あっさり納得してくれた。


義両親は名残惜しそうだったけれど、

そこは気づかないふりをした。


これが密室だったら。


三人だけ、

あるいは義両親も含めた五人だけだったら。


きっと、

違う結果になっていたと思う。


結局、

その日は遊園地で解散となり、

私たちはようやく、

苦しい時間から解放された。

「何が食べたい?」その一言が苦しかった

 勝手に決められていく夕食 「何が食べたい?」 一緒に夕食を食べることが当然のように、 話は勝手に進んでいく。 「なんでも好きなものを選んで良いのよ」 と、お義母さんは言った。 拒否する権利なんてない。 そんな空気だった。 子どもの返事を待つ時間さえ、 耐えがたかった。 その間、...