思い違いの制服
義両親によって勝手に用意された制服。
夫は、
私が断るなどとは
考えてもいないようだった。
でも、もう決めていた。
何が何でも、
子どもと二人で生きていく。
何を言われても、
決して迷わない、と。
ただ、
制服が購入されたものだと知り、
さすがに申し訳ないと思った。
夫の話だけを聞いていれば、
義実家での同居は
決まっているように
思えたはずだ。
毎日、
その話を聞かされていた義両親も、
きっとそう信じていたのだろう。
最初は半信半疑でも、
何度も聞いているうちに、
信じてしまう。
そういう経験は、
私にもあった。
だから、
そのこと自体を
責める気にはなれなかった。
とはいえ、
このままにはしておけない。
制服はこのまま受け取り、
どこかで買い取ってもらおう。
少しでも、
差額を埋められればと思った。
とりあえずは、
最初の支払いとして、
わずかばかりのお金も用意した。
翌日の義実家訪問を控え、
私は久しぶりに
少し緊張していた。
「一緒に行くよ」
「制服代を払いに行く」
そう伝えると、
子どもは驚いたような顔で、
こう聞いた。
「お金、あるの?」
このことがなくても、
中学校入学の準備のため、
日々節約を続けていた。
その上、
着もしない制服代を
払いに行くなんて。
そう思ったのかもしれない。
私自身も、
本意ではなかった。
それでも、
その方が、
気持ちに区切りをつけられる。
そう思った。
ただ、
手渡しするのは今回だけ。
次回からは
振込にすることも
伝えた。
翌日は、
一人で行く予定だった。
ところが、
子どもから
思いもよらない言葉が返ってきた。
「一緒に行くよ」
いや、
行かない方がいい。
絶対に、
帰してもらえないから。
そう言っても、
子どもは納得しなかった。
「ママも
帰してもらえないかも」
その一言に、
胸が締めつけられた。
「終わったら、
すぐ電話するから」
そう言って説得したけれど、
子どもの不安は
最後まで消えなかった。
結局、
最寄り駅まで
一緒に行くことになった。
子どもは、
駅近くのカフェで待機。
「気をつけて待っていてね」
そう伝え、
翌日に備えて、
その日は早めに布団に入った。
