2026年7月7日火曜日

塾から突然かかってきた電話

先生からの連絡

そろそろ塾が終わる頃かな。

買い物を済ませてから向かえば、

ちょうど合流できそう。


帰りの予定を考えていると、

突然、電話が鳴った。


画面には塾の名前。


まさか今日サボった?

でも、通い始めてから一度も休んでいない。

今朝も楽しみにしている様子だった。


何だろう――。

そう思いながら電話に出た。


こういう時は、いつも不安になる。

「何事もありませんように」

そんな気持ちで応答ボタンを押した。


電話に出ると、

先生がその日の出来事を話し始めた。


どうやら、同じ塾の子が先生に伝えたらしい。


「○○さんがおじさんに怒られているみたい」と。


先生が外へ様子を見に行くと、

実際に怒鳴られている場面だったという。


事情は詳しく話していなかったが、

表面的な経緯だけは伝えてあった。


だから念のため、

連絡をくださったのだった。


その日以降、

子どもは塾の中で待たせてもらった。


私が迎えに行くまでの間は、

自習をしながら過ごしていた。


「お前を信用できない」

その出来事のあと、

私はしばらく責められ続けた。


「もう、お前のことは信用できない」


その言葉を、

何度も何度も繰り返された。


でも、

私には他の選択肢が思い浮かばなかった。


内緒で塾に通うという選択は、

思っていた以上にうまくいっていた。


このまま卒業まで通えるかもしれない。

そんな期待もあった。


どうせ話したところで、

納得してもらえるとは思えない。


それなら、

子どもの意思を尊重したかった。


バレる日が来ることは、

もちろん覚悟していた。


それでも私は、

子どもの未来を優先することを選んだ。


そして実際、

かなり長い間、

夫に知られず通い続けることができた。


もう大丈夫。

そう思い始めていた矢先だった。


バレた瞬間は肝を冷やした。


それでも、

不幸中の幸いだったことがある。


夫が真実を知った時には、

もう受験できる時期ではなかったことだ。


無理やり義実家へ連れて行こうとしても、

子どもは強く拒否する。


夫にとっても、

もう状況を変えられないタイミングだった。


私たちにとっては、

最悪の事態だけは免れたと言えた。


「義実家で暮らすしかない」

それでも夫の怒りは収まらなかった。


「俺や親に詫びを入れろ」


「うちの親もがっかりしている」


「みんなが納得するには、

もう義実家で暮らすしかない」


同居を迫る連絡が、

毎日のように届く。


時には電話で、

直接責め立てられることもあった。


私はそのたびに、

こう伝え続けた。


「申し訳ないと思ってる。

でも、(子ども)の意思を尊重したい」


ここで私は、

余計な一言を口にしてしまう。


「そう思ってしまうのが、

親なんだよ」


その瞬間だった。


「どういう意味だよ!

俺が親じゃないって言うのか?!」


手が付けられないほど怒り、

電話の向こうで、

何かが壊れる音が響いた。


以前、

夫が暴れて家具を壊した日のことが、

頭をよぎる。


背筋が、

すっと冷たくなった。

塾から突然かかってきた電話

先生からの連絡 そろそろ塾が終わる頃かな。 買い物を済ませてから向かえば、 ちょうど合流できそう。 帰りの予定を考えていると、 突然、電話が鳴った。 画面には塾の名前。 まさか今日サボった? でも、通い始めてから一度も休んでいない。 今朝も楽しみにしている様子だった。 何だろう―...