家で過ごせる幸せ
2回目の支払いを済ませ、その週末は
久々に我が家で過ごした。
家で過ごすことが、
こんなにも大変だったなんて。
ここに戻ってきたばかりの頃は、
想像もしていなかった。
夫さえ出て行ってくれれば、
また平穏な日々が戻ってくる。
そう信じて、
ここまで進んできた。
でも、
どうやらそれは
間違っていたようだ。
やっぱり、
離婚が成立しなければ、
本当の意味での幸せは
戻ってこない。
そのことを、
改めて強く実感した。
そして、
離婚したいという思いは
ますます強くなっていった。
夫が怒鳴り込んできたことで、
大体の事情を知ってしまった子ども。
もう大きい。
いろいろなことを
勘づいてしまう年齢だ。
すべてを隠し通すのも、
難しくなっていた。
いつも一緒に
闘ってきてくれた子どもには、
『知る権利』がある。
そう思った私は、
包み隠さず、
これまでの経緯を
すべて話した。
そのことを知った上で、
家で過ごす週末。
子どもも、
複雑な思いがあったと思う。
それでも、
見た感じは
落ち着いていた。
「おうちは最高!」
そう言って、
楽しそうに過ごしている姿を見て、
私はホッとした。
やっぱり、
この家は
子どもにとって
大切な場所なのだと思った。
だからこそ、
何としてでも
この日常を守りたかった。
突然届いたメッセージ
3回目の振り込みをする直前、
突然、
夫の彼女から連絡が来た。
直接やり取りするような
用事なんてない。
連絡を取り合いたい相手でもない。
そのまま
スルーすることも考えた。
でも、
後々面倒なことになっても嫌だ。
そう思い、
とりあえず
メッセージを開いた。
それにしても――
あの二人は、
くっついたり離れたり。
いつまで経っても、
煮え切らない。
こちらとしては、
夫と彼女が
うまくいってくれれば、
離婚もスムーズに進む。
そう期待しているのに、
なかなか思うようにはいかなかった。
一体、
何の用事だろう。
いぶかしみながら、
内容を確認する。
すると――
書かれていたのは、
制服のことだった。
おおよその見当はつく。
きっと、
夫が愚痴ったのだろう。
それを聞いて、
黙っていられなくなった。
そんなところだろうか。
夫のほうも、
彼女が何か言ってくれることを
期待していたのかもしれない。
だからこそ、
話したのだろう。
間違った正義感を振りかざして、
口を挟んでくるのは
今に始まったことではない。
過去にも、
何度かあった。
そのたびに、
分かってもらおうと
事情を説明した。
でも、
無駄だった。
夫も、
彼女も、
よく似ている。
考え方も、
驚くほど似ている。
しかも、
お互いにとって
特別な相手だ。
そこに私が何を言ったところで、
私の味方になってくれるはずがない。
そんなことは、
もう分かっていた。
だから私は、
冷めた気持ちで
彼女からのメッセージに
目を落とした。
