2025年9月26日金曜日

たまり場になっていた我が家に荷物を取りに

新しい服を買うお金が惜しい

離婚に備え、できるだけ節約していた。

時々は外食したりお出かけもしたが、普段はとても質素な生活だった。

仕事中に喉が渇いても決して自販機で飲み物を買わなかったし、総菜も使わなかった。

スーパーで安い食材を購入し、それを利用したメニューを考えるというのが習慣になっていた。

毎日の努力で少しずつ貯まっていく貯金。

このお金が私たちの将来につながっているんだ、という思いがあったから頑張れた。

ただ、子どものことに関しては別だ。

あまり節約節約と言い過ぎて窮屈な思いをさせたくなくて、そういう雰囲気を作らないようにした。

ある時、自分の手持ちの服がだいぶ寂しいことに気づいた。

買えば済む話だけど、数枚まとめて購入したら結構お金がかかる。

そのお金があればアレもできる、コレもできると考え始めたら買うのが惜しくなった。

そして、最終的に買うのが馬鹿らしくなった。

そこでふと思い出したのが、家に置いてきた服の存在だ。

元々ほとんど買い物をしなかったので手持ちのものは多くはない。

それでも家に戻れば季節的にちょうど良いものもあった。

取りに行けば交通費だけの出費で済むではないか。

そう考えたら、どうしても取りに行きたくなった。

夫のことは怖いけど、数分我慢すれば良いだけの話。

たったの数分で何千円も浮くんだもの。

気づいた瞬間、取りに行く以外の選択肢が消えた。

早速夫に連絡を入れ、

「服を取りに行きたいのですが、いつなら都合が良いですか?」

とお伺いを立ててみた。

すぐに反応があり、

「いつでも良いけど」

という返信。

この時、夫は再び無職になっていたのでかなり暇そうだった。


夫の友人が頻繁に出入りしていた我が家

仕事を終えた後、その足で夫の居る家に向かった。

既に夕暮れ時。

少し薄暗かった。

子どもを迎えに行った後だから一緒だったのだが。

夫に会わせたくなくて近くのお店で待っててもらった。

一人で部屋の前まで行き、インターホンを鳴らす。

そんな些細な行動にも緊張していた私に聞こえてきたのは夫の友人の声だった。

この時、私は『助かった!』と思った。

二人きりにならずに済む、という安堵。

やはり密室で二人きりは怖い。

これが義両親だけだと心許ないが、友人なら体裁を取り繕うはずだと思った。

案の定、その日の夫は身内だけの時よりも静かで穏やかに対応してくれた。

ただ・・・。

私が驚いたのは友人たちが頻繁に出入りしているであろう痕跡の数々だった。

日用品なんかも数名分が置かれていて、共同生活のような雰囲気すらあった。

話し合いに参加したNも来ているのだろうか。

この状況にはさすがにゾッとした。

いつの間にかたまり場になっていて、家の中の物も自由に見られる状態で。

私物は全部引き取るべきなんじゃないかと思った。

だけど、一度に全部は無理だったから(物理的にも夫の心情的にも)、

「また取りに来るから」

とだけ伝えてその日は部屋を後にした。

たまり場になっていた我が家に荷物を取りに

新しい服を買うお金が惜しい 離婚に備え、できるだけ節約していた。 時々は外食したりお出かけもしたが、普段はとても質素な生活だった。 仕事中に喉が渇いても決して自販機で飲み物を買わなかったし、総菜も使わなかった。 スーパーで安い食材を購入し、それを利用したメニューを考えるというのが...