義両親さえも呆れていた
会社から言われたことを渋々了承した夫。指示通り、抱えていた案件を終わらせてから辞めた。
と言っても、丸々2か月かかったわけではない。
1か月が経過する頃にはだいぶ先が見えてきたようで、
「余裕だわ」
と言っていた。
それならば、なぜあんなにも頑なに拒んだのか。
その程度で終わるのなら、もっと快く引き受けることはできなかったのか。
普段から人のために動くことがほとんど無い。
損をするのが大嫌いだ。
だけど、相手には自分を犠牲にしてでも尽くすことを求める。
それが当たり前だと思っているから余計に質が悪い。
結局、退職する日だって1か月延びただけだった。
次の仕事が決まっていたわけでもない。
この件では私も話を聞かされて嫌な思いをしたが、一番振り回されたのは義両親だった。
ずっと愚痴を聞かされ続け、『そうだよね~』と理解している素振りを見せないと途端に不穏な空気に。
機嫌が悪くなると厄介だから反論もせずに肯定し続けたようだ。
内心は呆れているのを悟られないようにするのって本当に大変。
そのはけ口が以前は私だったんだけど。
別居してからは意識的に連絡を絶った。
癒しだった孫とも会えず、ただひたすら息子の聞き役に徹した義両親。
ある時お義母さんから、
「(夫)の話を聞いてやって欲しい」
という連絡が来た。
愚痴というのは人を不快にさせるから、聞き続けるのもとても大変だ。
自分には関係のないことであっても、ずっと聞いていると心が疲れてしまう。
お義母さんはよほど疲れたのか、いつもは言わないのに、
「もうウンザリ・・・」
と言っていた。
働いたことで更に自信を深めた夫
お義父さんやお義母さんが夫を甘やかしすぎな気もした。
いつでも味方で居てくれるというのは子どもにとって心強いけど・・・。
正しくない時にはきちんと教えなければならない。
それをしないから自分勝手な行動ばかりするのではないかと思うことがあった。
まぁそれも大人になってからやるべき事では無いけど。
就職の件は、どんなにブランクがあっても職に就けるという証明になってしまった。
元々高い鼻が更に高くなり、周りを見下すように。
誰にでもできる仕事に固執する奴はバカだ、とか。
長時間拘束されるような仕事を選ぶのは能力が低いからだ、とか。
私への当てつけのような発言も増えた。
長い間夫に虐げられてきたので、この程度のことを言われても凹まない。
『そうだよね~』という程度にしか思わないので、それも面白くなかったみたい。
もっと凹ませたい。
言葉の端々からそんな気持ちがにじみ出ていた。
人を傷つけたいというのも、ある意味病気だと思う。
常に誰かを傷つけたり貶めることで自分の存在価値を高めるというのが、そもそも理解できない。
理解はできないけど、長年接していたら私にもある変化が起きた。
元々超がつくくらいのんびりした性格だったのが、ややせっかちになった。
夫に急かされるからだと思うんだけど、何かやる時に『急がなきゃ』と思うことが増えた。
それで必要以上に疲れてしまう。