2025年9月13日土曜日

真夜中に届いた長文のメッセージ

執着心を消し去る方法を教えて

いつも通り日付が変わる前に眠りについた。

普段はすぐに寝入ることが多い。

多分疲れもあるとは思うんだけど。

夫が一緒に居ないということも大きい気がする。

一緒に居た頃は横になってもなかなか寝付けなかった。

せっかく寝入ることができても夜中に目を覚ましてしまったりして。

ストレスは睡眠にも影響を及ぼすようだ。

別居後はそんな生活ともオサラバして快適だったので、すっかり忘れていた。

眠り始めてからどれくらいの時間が経過した頃だろうか。

急に枕元に置いていた携帯が鳴り、私は目を覚ました。

半分寝ぼけながら音の鳴る方へと手を伸ばし、眩しさに目がくらみながら確認すると夫からだった。

私は開いたことを後悔した。

長文のメッセージで埋め尽くた画面。

ぎっしりと並んだ言葉。

それらの衝撃は、寝ぼけた私の目を覚まさせるのに十分だった。

メッセージを見た途端、手が震えて心臓がバクバクと音を立てた。

怖い・・・一体何なの?

この時、それ以上見ずに画面を閉じてしまえば良かったのだ。

でも、まだ頭が覚醒して居なかったので反射的にその長々としたメッセージを読んでしまった。

読んだらもっと眠れなくなった。

ポエムみたいな文章なのもゾッとした。

多分あれを見たら誰もが同じ印象を抱くと思う。

夫は完全に自分の世界に入り込んでいて、私が夫に会いたがっていることになっていた。

どういう脳内変換が行われてそんな考えに至ったのかは分からない。

ただ、相手も同じ気持ちだろうという思い込みが強過ぎて、かなり引いた。

決めつけはいつものことだけど。

その時の文章はそれだけでは無かった。

会えない状況に君も苦しんでいるだろうから何とかしてあげたい。

そんなメッセージを送ってきた夫のことを心の底から怖いと思った。


早朝まで続いたメッセージ

夫からのメッセージですっかり目が覚めてしまった。

しかも、一通では終わらず連続で送りつけてきた。

夫のおかしな行動はいつものことだから慣れているつもりだったけど。

この時は何とも言えない暗い気持ちになった。

翌朝になり、寝不足なのに目が変に冴えていて。

仕事に行く時間になっても眠気を感じることは無かった。

『またメッセージが来たらどうしよう』

ただただ、そればかり考えていた。

最初に既読を付けてしまったのがそもそもの失敗だ。

アワアワしていたら次から次へと送られてきた。

呆然としていると、今度は

「すぐに読んでくれて嬉しい」

というメッセージが届き、そこからスルーするのが怖くなった。

もう既に見てしまったことがバレているのにスルーしても大丈夫なのだろうか。

逆切れされないかな。

迷っているうちにもどんどん送られてきて、物凄いスピードで打っていることが分かった。

その内容もこちらが思考停止してしまうようなものばかりで・・・。

夫が二重人格なのではないかと思ったほどだ。

私から離婚を突き付けられている夫とは別にもう一人居るんじゃないか。

あるいは夫の中に別人格が?

そんな風に考え始めたら何が何だか分からなくなった。

暗闇の中で携帯を見つめていると悪い想像ばかりが浮かんでくる。

それで恐怖心から呼吸が乱れてしまい、私は慌てて電気を点けた。

テレビの電源を入れると、そこにはいつも通りの日常が流れていた。

それを呆然としながら眺めているうちに現実へと引き戻された。

風邪を引くのも怖かったあの頃

体調不良は自己責任 普段から些細なことで腹を立て、理不尽な怒りをぶつけてくることの多かった夫。 体調不良にも非常に厳しかった。 どんなに気を付けていても、風邪くらい引く時はある。 だが、夫はそれを許さなかった。 咳が出れば冷たい目で見られ、鼻をかめばため息をつかれた。 わざわざ近...