節分の恵方巻を買おうとしていただけなのに
昨日、恵方巻を買いに近所のスーパーに行った。少し遅めの時間にしたのは、もしかしたら値引きシールが貼られているかな?と期待したから。
でもまだ少し早かったのか定価通りだった。
たくさん並んでいる恵方巻のパックの前でうーんと悩む私。
最近こういう類のものも値上がりしてるからね。
時間にすると数分ほどかな。
行ったり来たりして、どれにしようかと考えていた。
その時偶然、知人が通りかかった。
普段顔を合わせた時も軽く挨拶を交わす程度の人。
だから、挨拶したらすぐに通り過ぎると思ったんだけど。
何故か横にピッタリと張り付いてきて
「恵方巻?私もそれを買いに来たのよ」
と話し始めた。
私は
「そうなんですよ~。今年はまた値上がりしてますよね、迷っちゃう」
と答えつつ、離れようとしたがついてくる。
その人のまだ何か話したそうな様子に少し戸惑った。
長くなると困るから別の売り場に行こうかなとも思ったけど、ずっと話していてそのタイミングがない。
それで、さっさと決めようと思ってパックに手を伸ばしかけた時、お店の人が奥から出てくるのが見えた。
値引きシールを貼り始める時間だ。
目の前でどんどんシールが貼られていき、お目当ての恵方巻を2つゲットして籠に入れた。
そのまま、
「それじゃあ、失礼します」
と行こうとしたら、急に
「あなた、ちゃんと養育費もらってるの?」
と聞かれた。
突然そんな話になるなんて夢にも思わず、正直驚いてしまった。
私にとっては触れられたくない話だから、多分挙動不審な動きをしていたと思う。
しどろもどろになりながら、理由があってもらっていないことを伝えたら、
「そういうのは権利なんだから。きちんと伝えないとダメよ!」
となぜかお説教をされた。
こういうことを言われたのは初めてではない。
少し年上の人たちから切々と説かれたこともある。
だけど、うちの場合にはそういう交渉ができない状態だから、
「無理なんですよ。色々事情があるので・・・」
とだけ答えた。
なぜここでマウント・・・?
私の答えが気に入らなかったのかもしれない。
知人はやや攻撃的な感じになり、
「あなたがそうやって逃げてることで子どもが不利益を被るのよ」
と言い始めた。
それは十分に分かっている。
もしちゃんと養育費を貰えていれば、もう少し安定した生活を送れるのに、といつも思っている。
だけど、そうできない理由があり、夫と話し合うことも正直気が進まない。
せっかく離れられたのに、何か交渉しようとしたらまた引き戻されるかもしれないというのも不安。
それに、直接話すこと自体が怖いんだから、それ以前の問題だ。
自分でも不甲斐ないとは思ってるんだけどね・・・。
どうにもならないんだよ・・・。
私は常に最悪の事態を想定しながら動いてきた。
相手はあの元夫なのだ。
恐ろしいほどに知恵が周り狡猾で周りを上手くだます人で。
下手したら今の幸せな日常も壊されかねない。
そう考えたら身動きが取れなくなってしまい、何もできなかった。
だから今置かれている状況で必死にもがいてきた。
ただ、それも周りから見ればただの甘えに見えるのかもしれない。
はっきりしない私にイライラしたのか、知人は更に攻撃的になった。
『うちの子がそれくらいの頃は~』と自分の子自慢を始め、我が家を憐れむような発言を繰り返した。
あんまりにも『可哀そう、可哀そう』と言うものだから本当に嫌な気持ちになったんだけど。
それ以上に腹が立ったのは、
「お子さんに会わせてあげていないんでしょ」
という言葉だった。
会わせることなんてできないんだよ。
会ったら何されるか分からないんだから。
子どもに会わせないから養育費も貰えないと主張する彼女は、きっと幸せな人なんだと思った。
自分たちの命を守るために養育費を諦めてでも会わせられない人が居るということを、きっと想像もしたことがないんだろうな。