「一度離れたい」という気持ちを伝えて話し合い
夫とは離婚の話を何度かした。本当は決まるまで頻繁に話し合って一気に決めてしまいたかったんだけど。
いざとなると夫の方に応じる気配がなく・・・。
結局いたずらに時間だけが過ぎて行った。
そうは言ってもこちらだって待ってるだけというわけにはいかない。
これを逃したら今度はいつこんな方向に持って行けるか分からないから。
この頃は毎日緊張して過ごしていた。
今日こそ承諾してもらえるように頑張ろう。
そう意気込んで話すのだが、相手はのらりくらり。
内心は焦っていても強く出たら今度は攻撃されてしまう。
その加減が本当に難しくて苦労した。
もっとも恐れていたのは、へそを曲げてしまって話し合いのテーブルにさえついてくれなくなることだった。
そうなったら、せっかくここまで持ってきたことが水の泡になってしまう。
だから、慎重に慎重に話し合いを重ねて少しずつ進めていった。
最後は夫が折れる形で『将来的には元に戻る』という希望を抱かせつつ離れたわけだが。
絶対に戻らないことは私の中で決まっていた。
何故夫がこんな提案を受け入れたのかというと、恐らく私たちが自分の元に戻ってくるという自信があったからだと思う。
それほどまでに家族としての絆に自信があったのだ。
夫婦の話し合いは一度これで決着がついたかに見えた。
だけど、まだ肝心なことが取り残されていた。
それは義両親への対応だ。
予想通り、後日報告を受けた義父は大変憤っていた。
「こんなことをされるとは思わなかった!」と怒りをぶつける義父
離婚の報告をしたところ、義父はとても怒っていて義母はショックを受けていた。
私のこの持って行き方が、『まるでだまし討ちみたいだ!』と言われた。
そしてしばらくの間怒りをぶちまけた後も納得できないのか、何度も子どもに
「良いのか?パパとママがお別れしちゃうとおじいちゃんとも会えなくなるぞ」
と脅しをかけていた。
でも子どもが、
「うん、大丈夫」
と答えたので、その怒りの矛先は私に向かった。
そもそも子どもにこんなことを聞くこと自体が間違っている。
まだ小学生なんだから、その場の雰囲気で流されたり答えられないことだってある。
万が一子どもが『嫌だと言え』という雰囲気を察知してその通りにしたら、子どものせいにしてこの件を無かったことにするつもりなのだろうか。
私は思わず、
「もうたくさん話し合って、ようやく答えが出たんです!」
と言ってしまった。
そうしたら、今度は『これまで良くしてやったのに』という感じで延々と責められた。
確かに気にかけてもらったな、と感じる部分もある。
でもそれ以上に夫との結婚生活が辛かった。
それに、モラハラやDV、虐待という面では義両親の存在が歯止めになることは無かった。
むしろ悪化させていたかもしれない。
これが一番の問題だったんだから、改善されることが無いのなら離れるしかないではないか。
もう何を言っても無駄だと悟った私は、
「すいません」
と繰り返し言い、嵐が過ぎるのを待った。
私たちがもう戻らないであろうことを義父は感じ取っていたのだと思う。
責め続ける義父の横では、義母が黙って涙を流していた。