2025年2月26日水曜日

無くなった通帳をこっそり探す日々

夫の目を盗んで通帳探し

こっそり隠し持っていた通帳が無くなった。

せっかくへそくりを貯めていたのに・・・。

誰が移動させたのかは、もちろん分かっていた。

今は本人確認も厳重なので夫が引き出せることは無いだろう。

だからいつかは戻ってくる。

でも、手元にないということ自体に非常に困ってしまった。

その後の動きにも影響が出るので何とか取り戻したいと思った。

とにかく保管場所だけでも突き止めようと、すぐに動き始めた。

夫の目を盗んでは通帳探しをする日々。

あれはかなりスリリングだった。

何か探したいものがあっても、それが夫に知られてはいけない物の場合にはかなり気を使った。

見つかったら問い詰められることは確実なので絶対に見つかってはならない。

特にその時は家を出る準備金を貯めている通帳を探していたので慎重にならざるを得なかった。

普段はこちらの気持ちなんか気にも留めないくせに。

こういう時だけやけに敏感になるんだよね。

この時も、ほんの少しの変化にも気づかれてしまいそうで怖かった。

それでも探さなければならないと、限られた時間の中でちょこちょこと思い当たる箇所を確認した。

だけど見つからない。

広い家でもないんだから探す場所は限られているのに。

思い当たる場所全てを何度も入念に確認したのだが一向に見つからなかった。

だから【私の想像もしない場所に隠したんだな】と確信した。

それほどまでに夫は警戒しているということだ。

つまり、私の計画に気づいている?

気づいていて阻止しようとしている?

そう考えたら全身の毛がゾワッとなるような恐怖を感じた。


探し始めて数週間後に知った驚愕の事実

探し始めてから数週間も経過すると、もう見つからないのではないかという諦めの気持ちも出てきていた。

こんなに探しても見つからないということは、もう家の中には無いのかもしれない。

夫がもし警戒して手を打ったのなら家には置かない気がする。

それを確かめるには直接聞いてみるほかないのだが、そんな勇気は無かった。

もちろん、あれは大切なお金だけど、自分からカミングアウトするような真似はできない。

そんなの夫の怒りに自ら点火するようなものだ。

知りたいけど聞くこともできず私はただ悶々と過ごした。

その間、夫の方もいつもと変わらぬ様子で過ごしていた。

人って隠し事をしていても、こんなに平然としていられるんだ・・・。

この頃にはもう夫の仕業に違いないと確信していて、日々疑いの眼差しで見ていた。

鋭い夫のことだもの。

疑われていることにもとっくに気づいているはず。

それなのにポーカーフェイスを崩さないのも恐ろしいと思った。

疑心暗鬼になった私はいつもよりも夫のことを注意深く見ていて、恐らく夫はそれさえも楽しんでいたのだと思う。

これだけ探しているのに全く見つかる気配がないということは、もう手の届く範囲に無いのだろう。

そう思った私は探すことを止めた。

だけどその日の夜、思わぬことから通帳の在りかを知ることになる。

夕飯後、翌日にちょっと出かける用事があると話していた夫がバッグの中を整理していた。

中身を出したりして、いつものように几帳面に整えていたのだが。

その時に偶然見てしまった。

あの通帳が夫のいつも使っているバッグに入っていることを。

ずっと探していた通帳と同じものがあることに気づいた私は、思わずじーっと名前部分を凝視した。

間違いなく私の名前だった。

あぁ、あんな所にあったのか。

見つからないはずだ。

在りかが分かったのは良いが、常に夫の傍に置いてあるバッグの中だった。

そこからは取り出しようがない。

もし取り出せたとしても、すぐに気づかれてしまう。

この事実を知った私はついに諦める決心をした。

その時にふと思ったことなのだが。

もし夫がこれをわざと私に見せるように置いていたとしたら。

全て夫の思惑通りに動かされていただけ、ということになるんだよね・・・。

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