ランドセルから出てきた絵柄のついた封筒
うちの子はしっかりしているようで抜けている所がある。翌日の準備をしているはずなのに翌々日の物になっていたりとか。
前々から言われていた持ち物をすっかり忘れてしまうこともある。
だから、次の日の準備は私も手伝っていた。
一度子どもが揃えた後にもう一度チェックして問題がないことを確認するんだけど。
ランドセルの中にはもみくちゃになった紙が底の方で圧し潰されていることも・・・。
ある日、その底に敷き詰められるようにして固まった紙を取り出していた。
そうしたら、見たことのない封筒が含まれていることに気づいた。
手に取ってまじまじと見ると可愛い絵柄がついていて、『(子の名前)ちゃんへ』と書かれていた。
その字を見た瞬間、ピンときた。
夫の字だった。
でも、会わないようにしていたのにどうして?
不思議に思って聞いてみると、
「いきなりパパが来て渡されたんだよ」
と教えてくれた。
学校帰り、待ち伏せしていた夫が話しかけてきて、逃げようとしたら手紙を押し付けるように渡されたのだそうだ。
突き返すこともできず、慌ててその場を後にした子供。
その時は逃げることしか考えられなかったようだ。
時々お迎えが遅れてしまうことがあった。
だから、こういう事態を完全に避けるのは難しくていつも悩んでいた。
手紙を渡されるくらいならまだ実害は少ないけど、連れていかれたらと考えると怖くて。
その時はお友達も一緒で、その子がまるで不審人物を見るような目で夫を見ていたそうだ(笑)。
『一人で出てきてはだめだよ』というお約束は守っていたようだ。
で、もらった手紙をどうしたかというと、開けずにランドセルにしまいこんだ。
その上から教科書などを入れたからだんだんともみくちゃになり、あの状態に。
経緯は分かったが、問題はその中身だった。
一体何が書かれているのか・・・。
『寂しい』というワードが目立つ手紙の内容
子どもに手紙を読んだのか聞いてみたら開けてもいないとのこと。
何が書かれているのか怖かったが、内容が気になるので意を決して読んでみることにした。
開くと、まず目についたのが『寂しい』というワードだった。
一度だけでなく何度も繰り返し色んな所に出てきていた。
子どもを心配するとか思いやる内容でもない。
ただひたすら自分の寂しさを訴えているだけ。
一通り読んで、『あの人は子どもに対しても自分の気持ちを押し付けるだけなんだな』と改めて思った。
それにしても大した内容でもないのに長い、長すぎる。
読んでいてだんだん疲れてきたが、最後まで目を通さなければと淡々と読み進めた。
最後まで読んでも本当に薄い内容で『寂しい』とか『会いたい』ばかり。
それなのに、何と便箋で2枚以上も書かれていた。
それを子どもが読むと思っていることにも驚いたが、さらに驚いたのが『お返事ください』と書かれていたことだった。
そこにはご丁寧に住所まで書かれていた。
(注:元々家族で住んでいた部屋)
もちろん子どもが返事を書くはずもなく。
何なら読まれてもいない。
『パパは(子ども)ちゃんのことをいつでも大事に思っています』とも書かれていて、嘘ばっかり。
もう呆れるしかなかった。
子どもはそういう嘘を簡単に見抜く。
散々傷つけられてきたんだから、こんな事を言われても信じられるわけがないのに。
なぜ夫にはそれが分からないのだろうか。
