2025年11月22日土曜日

義両親からの呼び出し

長過ぎるお義父さんの話

会社のお昼休み。

食事も終わり、まったりとしていたら急に携帯が鳴った。

最近は詐欺電話なども多いから、見知らぬ番号からのものは出ない。

でも、表示されたのが『お義父さん』だったので、ほんの一瞬迷った。

矛盾しているようだが、相手が知ってる人だからと言って全て出るわけではない。

特に話したくない相手の場合には、申し訳ないがかなりの確率で見て見ぬふりをする。

この時も無視して携帯の画面を下にした状態で放置することに決めた。

勤務中のお昼休みと言ったら貴重な休み時間だ。

体を休めるのもあるが、気持ちもリフレッシュさせたいところ。

お義父さんと話したら逆に疲れてしまう。

それで無視することにしたのだが、その後も3~4分おきに掛かってきた。

何度も着信していると、何故だか出なければならなような気持ちになってしまうものみたい。

でも、掛け直すのも嫌で・・・。

もう一度掛かって来なければ放置で良いや、と思っていたら再び着信画面に変わった。

どうせろくな用事では無いだろうけど、一度出ればもう掛かって来なくなるから。

そう自分に言い聞かせて、ロビーに移動しながら応答ボタンを押した。

電話に出てみると、お義父さんは相変わらず一方的に言いたいことを言っていた。

それに相槌を打つこともなく、ただひたすら聞いていた。

全て言い終えたお義父さんは、いきなり私に

「で、どうするつもりなんだ?」

と問いかけてきたのだが、何て答えたら良いのかが分からなくて・・・。

今の状態は非常にだらしなく、世間様に顔向けできない。

子どもの将来を少しでも思っていたら、そんな行動はできないはずだ。

そっちは自分のやりたい事をやってるんだから良いだろうけど、相手の気持ち考えたことはあるのか?

まとめると、そんな感じのことを延々と言っていた。

『あー、今日は長くなりそうだな』と思いながら聞いていたのだが、急に回答を求められてしまい戸惑った。

電話口の口調からは、お義父さんがいきり立っているのが分かった。

だから余計に下手なことは言えなくて、考えているうちに更に数十秒が経過した。

その間もどんどんお義父さんのイライラが加速し、携帯を少し離しても聞こえるくらいの声で、

「まさかこんな仕打ちを受けるとは思わなかったよ!」

と怒鳴られた。


義実家に来るように、と言われて

そうこうしているうちに、もうすぐお昼休みが終わる時間に。

電話を切らなければと思い、そう伝えたのだが、

「まだ終わってない!」

と言われ、切ることができなかった。

そしてとうとう午後の仕事が始まった。

慌てた私は、

「本当にすいません。でも、仕事に戻らなければならないので」

と謝って切り上げようとしたのだが、

「一度、うちに来なさい」

と、まるで決定事項のように言われてしまい、固まった。

数十分前までは、まったりと過ごしていたはずなのに。

一気に重苦しい気持ちへと変わり、そのまま午後の仕事に戻らなければならない憂鬱。

悪い癖で『私が悪いからだ・・・』と考えてしまって更にブルーになった。

お義父さんに責められる時、いつも夫の顔が思い浮かんだ。

鬼のような形相の夫に怒鳴られ、なじられていた日常が思い出され、そのたびに気持ちは急下降。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

あの頃の私は誰にともなく心の中で謝り続け、自分を責めた。

モラハラ被害者の方には分かってもらえるかもしれないが、そういう時には全ての原因が私にあると思い込んでしまう。

『お前のせいだ』と言われているようで、何とかしなければという気持ちが強くなることが多かった。

でも何もできなくて。

指定された日に義実家に向かうことは、もう確定だ。

その日に何と言えばお義父さんの怒りを鎮めることができるのだろうか。

何をすれば許してもらえるのだろうか。

馬鹿な私は延々とそんなことを考えた。

義両親からの呼び出し

長過ぎるお義父さんの話 会社のお昼休み。 食事も終わり、まったりとしていたら急に携帯が鳴った。 最近は詐欺電話なども多いから、見知らぬ番号からのものは出ない。 でも、表示されたのが『お義父さん』だったので、ほんの一瞬迷った。 矛盾しているようだが、相手が知ってる人だからと言って全...