2025年11月10日月曜日

夫の二度目の再就職先の話

アットホームが売りの職場

一度目の再就職先は、何が何だか分からないうちに去ることになった。

決断したのは夫で、職場の人たちは引き留めてくれたらしい。

でも、待遇などに納得がいかなくて、恩を仇で返すような形で退職した。

当時は、もうこのままずっと働くことは無いんじゃないかと思っていた。

でも、その予想を覆し、夫は再び就職先を見つけてきた。

正直、この行動力には関心した。

私だったら前の職場に申し訳なく感じるだろうし、次のところで拾ってもらえる自信もない。

それが、あの人は自信たっぷりに決めてきた。

きっと、申し訳ないとか自信が無いとか、そういった感情とは無縁なのだ。

最悪なことに、あっさりと次の仕事が見つかったことで更に自信を深めた様子で・・・。

「お前もいつまでそんな職場にしがみついてるの?」

などと言われた。

私は今の職場に非常に満足している。

大変良くしてもらっているし、事あるごとに親身になって対応してくれるから。

転職なんて考えたことも無いのだが、夫はそれをバカにしていた。

鼻で笑いながら、

「上を目指せない奴はだめなんだよ」

と嫌味を言っていた。

そんな夫が選んだ職場だが、今度は非常にアットホームなところだった。

社員皆の仲が良くて、仕事終わりに和気あいあいと飲みに行くような感じ。

夫は相変わらずのテレワークだったので、それに参加することは稀だったが。

時々誘われて仕事終わりに出かけることもあった。

あの夫のことだ。

恐らく新しい職場の人たちのことも下に見て馬鹿にしていたはずだ。

それなのに、そんなことはおくびにも出さず上手くやっていた。

あれほど上手に演じられる人を、私はこれまで見たことがない。

これからも、その生き方は変わらないのだろう。

はっきり言って信頼してはいけない相手だ。


「職場の人に家族を紹介したい」と言われても

ある時、夫から

「職場の人が家族に会ってみたいって言うんだよ。いつなら都合が良い?」

と聞かれた。

私は驚いて思わず聞き返した。

「会いたいって何で?」

これは当然の疑問だろう。

近い将来離婚しようとしている二人なのだ。

私の方はすぐにでも決着をつけたかったが、夫の方は結論を焦ってはおらず、温度差はあったかもしれない。

でも、『離婚』という問題があったことだけは確かだった。

絶対に家族として紹介されたくなかったので、この時は断固として拒否し続けて、

「行くのは厳しい」

と言い続けた。

本当は夫だって分かっていたはずなのに、

「何が厳しいの?」

などとすっとぼけてしばらく言い続けていたが、いつの間にか止んだ。

ホッとしたのも束の間、今度は会社でリクリエーションがあるとかで。

それには家族も参加するという旨の話をされた。

何としてでも職場の人に会わせたい。

そういう執念を感じてしまい、恐ろしくなった。

夫がここまで執着している時は何か裏がある。

単に会いに行くだけなら、これほどしつこくは言ってこないはずだ。

その目的が分からなくて、怯えながら夫からの連絡をスルーし続けた。

夫の二度目の再就職先の話

アットホームが売りの職場 一度目の再就職先は、何が何だか分からないうちに去ることになった。 決断したのは夫で、職場の人たちは引き留めてくれたらしい。 でも、待遇などに納得がいかなくて、恩を仇で返すような形で退職した。 当時は、もうこのままずっと働くことは無いんじゃないかと思ってい...