頑張って家計を支えたのに・・・
夫が働けなくなってから、私は懸命に家計を支えた。家族が安心して暮らしていけるようにと、辛いことがあっても弱音も吐かずにがんばった。
だけど、そんな思いも夫には届かなかった。
外で働いている間、子供を虐待するからいつも気が気では無くて・・・。
仕事中に何度連絡を入れたか分からない。
『今大丈夫かな、やられてないかな』
一度気にし始めたら居ても立っても居られなくなり、そのたびに電話を掛けた。
だけど、都合の悪い時には出てくれず。
何度も掛けていると、そのうち着信と共に切られるようになった。
あの時は本当に生きた心地がしなかったなぁ。
子どもがケガをしてしまうようなシーンばかり想像してしまって・・・。
そんな思いをしながらも、生活しなければならないから仕事を続けていたのだが、夫からは冷たい目を向けられていた。
「そんな仕事、将来につながるの?」
「誰にでもできる仕事をやってて大丈夫なの?」
ネガティブな発言ばかりを耳にしているうちに、いつしか自分自身も不安に思うようになった。
このままではいけない。
スキルアップしなければ、将来困ることになる。
夫に怯え、時間に追われ、家のことを全てやりながら勉強するのって本当に難しい。
やったらやったで、夫からは『今、そんなことやる時間なの?』という目を向けられるし。
本当に針のむしろでどうしたら良いか分からなかった。
仕事を続けていて良かった・・・
夫が自分本位なのは昔からだ。
無職になってから変わったわけではなく共働きの頃からだったので多少は慣れていた。
ただ、夫以外にも私の仕事に関して夫とは全く逆のスタンスで文句を言ってくる人物が居て、ダブルパンチで凹まされた。
その人物というのはお義父さんだ。
「女が外で働くと、ろくなことにならない」
と常々言っていた。
これは、仕事に行く前に夫のお昼を用意できなかった時などに発せられた言葉だ。
忙しくてついつい作らないまま出てしまうこともある。
仕事に遅れるわけにはいかないから、そういう時には申し訳ないが夫に何か自分で食べてもらっていた。
それが気に入らなかったらしい。
まずは家のこと。
それをきちんとこなした上で外での仕事だろう?と。
そう言われて反論したい気持ちももちろんあった。
でも、反論したところで分かってもらえないし、言い負かされるのは目に見えているから言わなかった。
彼らの場合、言わないと受け入れたということになってしまう。
正論なら何を言っても良いという雰囲気もあり、事あるごとに叱られるようになった。
家を出てそういう煩わしさからは解放された。
それは良かったのだが、離婚の話し合いでも同じことを言われた。
「女が外で働くと、ろくなことにならない」
これは、私が働いていなければ出ていくこともできなかっただろうから離婚も考えなかった、という意味だ。
それを聞いた瞬間、本当に心の底から『仕事を続けていて良かった』と思った。
