2025年10月30日木曜日

子どもの誕生日―後日談

少し過ぎてから呼び出しが・・・

子どもの誕生日を少し過ぎた頃。

夫から急に呼び出されて自宅近くのファミレスに向かった。

本当は断りたかったのだけれど、『協力してくれなかったんだから、これくらい良いよな』という雰囲気で・・・。

仕方なく仕事を早退して会いに行くことにした。

夫はその頃無職で、時間が有り余っていたはず。

だから何時でも良かったんだろうけど、私の方が平日の日中でなければならなかった。

理由はいくつかある。

まず一つ目は、夫からの要望で『誕生日プレゼントのリクエスト』を聞いてから、子どもが酷く警戒していた。

土日に一人で出かけるようなことがあれば、きっと不安になるだろうと思った。

二つ目は、子どものお迎え。

平日の夕方はお迎えに行くから都合が悪くて。

他にも、土日や夕方となると夫の友人が参戦してきそうで怖かった。

それで平日の日中しか無かった。

自宅近くの駅前という場所も実は抵抗があったんだけど言えなかった。

誰に会うか分からないし、目撃されて噂になっても困る。

子どもはまだその付近の小学校に通っていたから、影響が出るのを恐れた。

もしかしたら『お母さんと二人で家を出て遠方から通ってるらしい』という話は既に知れ渡っているかもしれない。

そこに駅前での話し合い(深刻な雰囲気)が目撃されれば、瞬く間に尾ひれがついて広まっていくだろう。

何より『子どもが嫌な思いをしないように』ということを考えた。

だから、どこか遠くの知り合いの居ない場所で話し合いたかった。


夫の怒り

顔を合わせた瞬間から夫は怒っていた。

何なら家を出る前から怒っていたんじゃないかという位、その日は荒れていた。

あーだこーだと言っていたけれど、結局はポイント稼ぎができなかったのが原因。

『お前のせいでプレゼントを渡しそびれた』という不満が見て取れた。

虐待していた子どもに対して何故そんなにもプレゼントしたいのか。

最初はそれが疑問だったのだが、親権を考えてのことのようだった。

離婚話が進んできたら嫌でも子どもの件にも決着をつけなければならない。

その日に備えて少しでも自分の印象を回復しておきたかったのだ。

そんなことは絶対に不可能なのに。

日ごろから自分都合で解釈するクセがあり、その時も挽回できると考えていた節がある。

現状は劣勢でも、一発逆転で自分のところに来てくれる可能性があると思ったのかも。

あるいは義両親に入れ知恵されたか。

おおよそ、そんなところだと思う。

実に夫らしいエピソードだ。

そりゃー子どもは欲しがっていたものを買ってもらえたら、その瞬間は『やったー!』と喜ぶ。

もしかしたら、ほんの少しだけイメージも改善されるのかもしれない。

でも所詮それだけだ。

子どもの尊厳を傷つけ続けたパパを許すはずがないし、恐怖は消えない。

それが理解できないのか、夫はやけに自信を持っていた。

「お前には難し過ぎて分かんないか」

というマウントも謎。

難しいも何も単純明快な話だ。

二人とも今後二度と夫とは一緒に住めない。

ただ、それだけ。

この日、私から新たに提案できることもなく話していても埒が明かないと思ったのか早々にお開きになった。

去り際に、

「そろそろ俺も動くから」

と言われ、『えっ?』と顔を上げると憎々しげに私を見下ろしていた。

夫に対する恐怖は別居後も消えることはなく、話し始めから終始身構えていたのだが。

この時は異様な雰囲気を感じて全身がビクッとなった。

何だか夫が良からぬことを考えているような気がしてならなかった。

風邪を引くのも怖かったあの頃

体調不良は自己責任 普段から些細なことで腹を立て、理不尽な怒りをぶつけてくることの多かった夫。 体調不良にも非常に厳しかった。 どんなに気を付けていても、風邪くらい引く時はある。 だが、夫はそれを許さなかった。 咳が出れば冷たい目で見られ、鼻をかめばため息をつかれた。 わざわざ近...