義両親からの依頼
義両親が忙しくなり、友人たちにもそれぞれ自分の生活があった。みんな夫ばかりに構っては居られないのだが・・・。
病院に一人で行こうとしないので困っていた。
表面上は『精一杯協力するつもりだよ』というスタンスでも、実際は違う。
誰かがやってくれるだろうと考え、率先して動く人も居ない。
まあ、それも仕方のないことだ。
あんな状態になった夫は本当に手がかかった。
時折友人にも我が儘を言っていた。
私たちはその何百倍もの仕打ちを受けてきたんだけど。
もうこの際そんなのはどうだって良いから誰か何とかしてくれ!と思った。
誰かが動かなければ、その役目は絶対に私にまわってきてしまう。
サポートなんてしたくなくて、できるだけ距離を取った。
でも、放っておいてはくれないのよね・・・。
義両親からこまめに連絡が来て、そのたびに
「本当に申し訳ないんだけど(夫)のことお願いね」
と言われた。
しらばっくれて、
「具体的には何をすれば・・・?」
と聞いてみたら、案の定
「一番困っているのは通院みたいだから、とりあえず病院のことはお願い」
と頼まれた。
やっぱりそう来たか。
私だって鬼ではないから、本人が暴言も吐かず『申し訳ないね』という態度ならやってあげても良いと思っていた。
でも、夫は私には非常に手厳しいので、ちょっとのミスも許さない。
ボランティアのように尽くしているのに、それに対して文句を言うなんて。
そんな態度に嫌気がさして何もしたく無くなったのだが、義両親からは
「大目に見てあげて」
と言われてしまい、仕方なく承諾した。
予約の丸投げも当たり前の夫
その頃、私の仕事も忙しかった。
子どもの送り迎えもあるし、家のこともある。
お世話になっている先輩に少しでも楽をしてもらおうと、家事も率先してやっていた。
その時思ったのが、相手が違うとこんなにも感じ方が違うのか!ということだった。
先輩のためにせっせと家のことをするのは全然苦じゃなかった。
むしろ、反応が返ってくるのが嬉しかった。
夫は何をしても『当たり前』で無反応だったから。
何か言ってくるのは失敗やミスを指摘する時だけ。
そういう仕打ちをしておきながら、頼み事をする時だけこちらに来ることに憤りを覚えた。
でも、渋々とは言え義両親に『分かりました』と言ってしまった手前、やらないわけにもいかない。
それで夫に連絡を入れたら、診察券番号と予約希望日時が送られてきた。
・・・えっ?
私が取るの?
とりあえず聞いてみようと思ったが、当たり前のことを聞くと怒る人なので躊躇した。
その情報が来たら予約に決まってるだろ!とか切れそうな気がして。
それで、『分かりました。その日時で予約を取ってみます』と送ったらスルー。
この場合のスルーは合っているということだ。
間違っていたらすぐに指摘を受けるはずだから。
結局このやり取りも数か月ほど続いた。
もちろん夫から感謝なんてされない。
周りも『当然』という雰囲気で、サポートを期待されていることは明らかだった。
その頃は離婚の交渉もほぼできなかった。
