2025年8月22日金曜日

不安定な状況に置かれていた子どもの気持ち

父親の影に怯える日々

このブログはどうしても私目線になってしまう。

だが、あのような環境下では、子どもはもっと大きな負担を強いられていた。

離婚問題が持ち上がると、どうしても子どもにしわ寄せがいってしまう。

我が家も例外ではなく、色んなことに巻き込まれて大変な思いをしたと思う。

当事者でありながらも受け身の立場で。

まだ小学生という年齢から、自立して傍観することもできなかった。

ひたすらその状況を受け入れようと藻掻いているようにも見えた。

一番印象に残っているのは、外を警戒しながら歩く姿だ。

「パパに見つからないようにしなくちゃ」

というのが口癖だった。

まるで『おはよう』や『おやすみ』のように日常的に発せられた言葉だ。

それほどまでに父親を警戒していたということだ。

夫からは時々連絡が来て、

「(子ども)、そばに居る?居たら話したいんだけど」

と言われることがあった。

そうすると、いつもは鈍い子どもの勘が急に鋭くなり、ササーっと私から遠ざかった。

何人かに離婚の相談をしたことがあり、その時に

「子どもの気持ちは子どもにしか分からない。押し付けないであげて」

と言われたことも。

私の中では当たり前に自分を選んでくれると思っていたので、この言葉には衝撃を受けた。

でも、言われてみれば『なるほど』と納得した。

我が子だからって一から十まで同じ考えであるはずがない。

反省して、早速子どもに

「パパとママが離婚したら(子ども)ちゃんはどちらと暮らしたい?」

と聞いてみた。

今考えると、この質問自体が間違っていると思う。

うちの子は虐待を受けていたのだから、心情を考えたらパパを選ぶはずがないのに。

そういう事情を知った上で助言してきたその人の話を真に受けて、愚かにも子どもの真意を確かめようとした。

聞かれた子どもはもちろん、

「ママに決まってるじゃん!なんでそんな怖いこと聞くの?!」

と驚いていた。

そりゃーそうだ。

自分に自信が無さ過ぎて、何か言われると『その通りだな』と受け入れてしまう悪い部分が出てしまった。

私は咄嗟に

「ごめん、ごめん。分かってたけど、一応確認しておかなくちゃと思ったんだよ」

と謝った。

子どもはプンプン怒っていたが、

「でもパパには(子どもが嫌ってることを)言わないでね」

とも言っていた。

そんなことを言ったらどうなるかくらい、子どもでも分かるということだ。


買い物は楽しいけど怖い

近所のスーパーに買い物に行く時、子どもは必ずついてくる。

別に何をねだるわけでもないのだが、あの雰囲気が楽しいのだそうだ。

何となくその気持ち、分かるなぁ。

以前は買い物だって自由に行くことができなかった。

分単位で管理されていて、少しでも遅くなれば何十回も電話が掛かってきた。

どうでも良い用事を伝えるために、しつこく電話してくることもあった。

出られないと、また大変で・・・。

たったの数回出られなかっただけで浮気を疑われたこともある。

『買い物に行っているだけなのに電話に出られないなんておかしい!』と。

こういうことが重なり、私は頻繁に携帯をチェックするようになった。

あまりにもちょくちょく確認するから、きっと周りは携帯依存症だと思っただろうな。

自分でもおかしいとは思っていたが、確認せずにはいられなかった。

半ばノイローゼのようだったという自覚がある。

携帯の画面を見て、着信やメッセージが入っていないと分かった時には心の底から安堵した。

怯えるばかりでちっとも楽しいことなんて無かった我が家。

それでも私は家族そろって暮らすことが幸せなんだと思っていた。

子どもは幼いうちからパパの居ない世界を想像するようになったらしく、

「パパ、いないと楽しいね」

と言ったのは、まだ3歳くらいの時だった。

たどたどしい口調でそんなことを言う我が子を見て考えさせられた。

そしてそれは事態の深刻さを物語っていた。

長引く別居生活で失ったもの

やはり金銭面での負担は大きかった 離婚したいと思っても、なかなか応じてもらえず。 別居生活は予想していたよりもはるかに長引いた。 その間、前向きに頑張ろうと思えたり、諦めのような気持ちが出てきたり。 精神状態をフラットに保つのが難しかった。 そんな日々の中で失ったものは数えきれな...